大映の第一回色彩映画「地獄門」に
ついて思い出してみます
女優さんは、京マチ子さんと
長谷川一夫さんでした
制作当時、私は高校生でした
親父から聞いた話です
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松竹(大船)の初色彩映画は「カルメン故郷に帰る」で出演は高峰秀子、
監督木下恵介で大成功でした、そして
翌年の色彩映画「夏子の冒険」は出演、角梨枝子(すみりえこ)で
監督は中村登で、フィルムは富士フイルム・リバーサル(外式)?
(ディライトタイプ)だったようです
当時、カラー・フィルムの感度は低く、
松竹の二作品ともロケーション主体で現代劇でした
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大映が企画した「地獄門」は時代劇でしたから
当然、スタジオでのセット撮影が主体になります
親父にカラーフィルムはどうするの?と聞きますと
開発されたネガ・ポジ方式のイーストマン・カラーだと
云っていました
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当時、カラーフィルムに関して
イーストマン(コダック)とアンスコが競っていましたが
コダックに負けてアンスコが退いたようでした
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コダックではネガ・ポジ方式のフィルムが
開発されて感度はASA32?で
色温度3200K°のタングステン・タイプでした
時代劇セット撮影の電灯照明(タングステン)では
カメラに色温度変換用フィルターは
いりません。
ロケーション場面でアンバー色の色温度
変換フィルターが必要になります
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光量の乏しいセットではフィルターなしで
そして光量豊富なロケーションでフィルターを
使うというフィルムです
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監督衣笠貞之助、照明器具のR電社の若社長など
スタッフはハリウッドへ研修に出発しました