イーストマン・カラーフィルムは
冷蔵船で輸入されて
撮影所へ冷蔵車で運ばれてきます
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そのフィルムをそのまま撮影部の
冷蔵庫(家庭用)に入れていました
撮影前日に、必要な量のフィルムを
冷蔵庫から出して、常温に戻します
冷蔵庫から出してすぐ使用すると
フィルムに水滴が付着する恐れがあるためです
撮影後のフィルムは常温のまま、
東京の現像所に送るのですが
大澤商会の若い人が
フィルムを受け取りに来ていました
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当時の日本の交通手段は貧弱で
名神、東名高速道路はありません
東海道新幹線もまだありません
国道1号線はところどころ
未舗装の道路でした
遠くから未舗装の国道を見ると
砂埃を巻き上げて自動車が走っていました
まるで、西部劇映画の幌馬車隊が荒野を
走っているようでした
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大澤商会の若い人は国鉄東海道線の
夜行列車で現像所にフィルムを
運び込んでいたのでしょうか?