経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】511 外国人から見た日本(3)

2020-09-10 12:03:00 | 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】511 外国人から見た日本(3)

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。
 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■ 今日のおすすめ

 『文明の衝突』(著者:サミュエル・ハチントン 鈴木主税 訳 集英社)

 

■ 『文明』の視点から世界を俯瞰する(はじめに)

  「外国人から見た日本」シリーズの第三回として『文明の衝突』をご紹介します。
 本題に入る前に、『文明』の定義を明確にしておきましょう。著者は、「唯一ドイツにおいては、『文明』は、機械、技術、物質的要素にかかわるものであり、『文化』は価値観や理想、高度に知的、芸術的、道徳的な社会の質にかかわるものとして、文明と文化を区分した考えが根付いた」と説明します。更に続けて「しかし、ドイツ以外では、文明と文化は、いずれも人々の生活様式全般をいい、『文明』は『文化』を拡大したものである。『文明』とは『ある文化の領域』であり、『文化的な特徴と現象の集合』である」と説明します。ここでは『文明』を普遍的な定義で捉えます。
 著者は、現在世界には9つの文明があるといいます。西欧文明(含むアメリカ)、ラテンアメリカ文明、アフリカ文明、イスラム文明、中国文明(中華・儒教文化)、ヒンドゥー文明(インド)、東方正教会文明(ロシア、カザフスタン、ウクライナなど)、仏教文明(ミヤンマー、タイ、ラオス、カンボジア、モンゴルなど)、日本文明の9つです。日本を「近隣諸国と文化的な繋がりをほとんど持たない孤立した文明国」と他の文明から孤立した文明としてあえて一つの文明として区分しています。「『孤立文明国』日本」については、項を改めて見てみたいと思います。
 本書は、1996年に原著が発行され、1998年に日本語に翻訳された第一版が発刊され、今日現在第21刷を数える、名著といえる本です。なぜ名著なのかと言いますと、19年前に書かれた著書にもかかわらず、時代の古さを全く感じさせないのです。本書を読むと(ボリュームには泣かされますが)、今世界で起こっている事の背景が手に取るように判るのです。
 本書を、P・E・S・T(政治、経済、社会・技術)の視点から見ると、世界の政治(紛争・戦争)・経済を『文明』と言うメタ(meta=背後にある、判断の根拠に出来る事実情報)を通してみると、「目からうろこ」のように謎が解けてきます。特に1989年の冷戦終結後、イデオロギーによる対立軸が無くなり、世界中で今日に至るまで発生した、あるいは発生している、多くの紛争・戦争は『文明』というメタの視点で見ると良く判ります。「グローバル」の視点が、国内でも海外でも必要とされる今こそ、問題・課題の判断材料の一つとして『文明』を加える事が大切ではないでしょうか。

 

■ 日本文明は日本一国で成立する「孤立文明」

【最も重要な「孤立文明国」日本】
 著者は日本について次のように記述します。「最も重要な孤立文明国は、日本である。日本の独特な文化を共有する国はなく、他国に移民した日本人はその国で重要な意味を持つほどの人口に達することもなく、移民先の国の文化にも同化してしまう(たとえば日系アメリカ人がそうだ)。日本の孤立の度が更に高まるのは、日本文化は高度に排他的で、広く支持される可能性のある宗教(キリスト教やイスラム教)やイデオロギー(自由主義や共産主義)を伴わないという事実からであり、そのような宗教やイデオロギーを持たないために、他の社会にそれを伝えてその社会の人々と文化的な関係を築くことができないのである。」更に著者は言います。「それゆえ、日本主導の地域的経済グループを作る事ができない」と。
 著者の指摘の納得性はともかく、この指摘に耳を傾け、我々が「どのように見られているのか」「われわれは何者か」「われわれは何をしたら良いのか」についての基本認識の一つとしたいと思います。
 指摘の一つに「日本文化は高度に排他的」とあります。参考までにアメリカの人口について考察してみましょう。アメリカは全体では人口増加を続けています。2010年で3億1千万弱の人口を抱えます。しかし白人比率は63.7%まで落ち、下がり続けています。白人人口の絶対数はほぼ横這いです。それをカバーして比率が上がり、人口増加を支えているのは、ヒスパニック・ラテン系とアジア系を中心とした非白人です。国・文明の発展・維持の重要な要因は人口です。この点一つをとってみても、著者の指摘は示唆に富んだものと認めざるを得ないのです。

 

■ 『文明』の視点から見た日本の未来(むすび)

 本書の題名が「文明の衝突」とありますが、著者は最後に次のように結んでいます。「人類が向っているのは、さまざまな文明が平和的に相互交流し、協力して生きていくことを学ばねばならない時代である。互いに学びあい、相手の歴史や理想や芸術や文化を研究し、互いに各自の生活を豊にしていくのだ。それ以外の道を選べば、この過密で小さな世界では、誤解と緊張、衝突、破局を招くばかりである。平和と文明の将来は、世界の主要文明の政治的、精神的、知的指導者達の理解と協力いかんにかかっている」と。
 この著者の結びの進言・警告は、企業経営の観点からも、大切な事ではないでしょうか。大企業であろうが中小企業であろうが、海外進出企業であろうが国内企業であろうが、グローバルというトレンドを避けて進めないのが現実ではないでしょうか。
 各企業が抱える課題・問題の解決に、この著者の進言・警告がお役に立てたら幸いです。

【酒井 闊プロフィール】
 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。
 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。
  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm
  http://sakai-gm.jp/

【 注 】
 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック
 経営コンサルタントを目指す人の60%が見るというサイトです。経営コンサルタント歴35年の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◆【経営コンサルタントの独り言】 多彩な趣味といえば上品な表現ですが下手の横好き 910

2020-09-10 11:44:28 | 【話材】 経営コンサルタントの独り言

【経営コンサルタントの独り言】 多彩な趣味といえば上品な表現ですが下手の横好き 910

 

平素は、ご愛読をありがとうございます。

経営コンサルタントのプロや準備中の人だけではなく、経営者・管理職などにも読んでいただける二兎を追うブログで、毎日複数回つぶやいています。

 

■ 下手の横好き 910

 

 下手な絵ですが、描くのも好きです。  水彩が主ですが、パステルやオイルもやります。  主に風景画ですが、オイルでは静物も結構多いです。

 写生には時間がかかります。  そこで、写真を見て、思い出しながら描きます。  かつては、オイル調の絵の具を厚く塗る水彩でした。  最近は、透明水彩に近いような絵が多くなっています。

 そのためにカメラは、必需品です。  高級カメラですと、神経を使うので機動性が落ちます。  最近は、もっぱら中級機で、レンズは2~3本位を持って出かけることが多いです。  小型なので気軽に移動でき、被写体に機動性を持って向かえます。  レンズ交換に時間がかかり、シャッターチャンスを逃すことが多いですね。  その対策として、コンパクトカメラも必需品です。  レンズ交換の代わりにコンパクトカメラのズーム機能を使って撮影するのです。  最近のコンパクトカメラは、中級機も顔負けの良い写真が、簡単にとれます。

 私のサイトを見てくださるとお解りのように、京都が多いです。  それでもまだアップロードしていない京都の写真は多数あります。  近年、鎌倉にも関心があります。  昨年鎌倉五山巡りの前半を行いました。  まだ、整理していないうちに、今年は一泊で、残りの五山巡りをしました。  その写真を整理して、ブログで紹介しましたところ、大変ご好評を戴いています。

 最近は、映像化してユーチューブでも紹介しています。

ドアノブ)

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

konsarutanto

 

【経営コンサルタント(志望者)へのお勧めブログ】

 ◇ 経営コンサルタントへの近道・資格取得  ◇ コンサルタントバンク人材銀行  ◇ 経営コンサルタントになろう  ◇ 経営コンサルタントQ&A  ◇ 独立・起業/転職

 ◇ 心 de 経営  ◇ 経営マガジン  ◇ 経営コンサルタントの独り言  ◇ 経営四字熟語

 ◇ 杉浦日向子の江戸塾  ◇ ニュース・時代の読み方  ◇ 時代の読み方・総集編  ◇ 経営コンサルタントの本棚  ◇ 写真・旅行・趣味  ◇ お節介焼き情報  ◇ 知り得情報  ◇ 健康・環境  ◇ セミナー情報  ◇ カシャリ!一人旅


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◆【話材】 昨日09/09のつぶやき 経営四字熟語は、経営に大きな示唆がある

2020-09-10 07:27:48 | ブログでつぶやき

◆【話材】 昨日09/09のつぶやき 経営四字熟語は、経営に大きな示唆がある

 

 

経営コンサルタントとして感じたことを毎日複数のつぶやきをブログでお届けしています。

もし、お見落としがありましたり、昨日のブログで再度読みたいつぶやきがあるというときに便利なページです。

本日の【今日は何の日】も、つぶやき済ですので、そちらもあわせてご覧くださいますと幸いです。

  ■【今日は何の日】 9月10日 ■ 屋外広告の日 広告業といっても範囲は広い ■ 特芳禅傑忌

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/1cc88bb129c33b51e36088ae1dee58a3

 

晴れ d3

 

■ 昨日は、下記のリストのようなことをつぶやきました。

konsarutanto   ◇ 昨日のつぶやき ◇ 

 

 

 【カシャリ! ひとり旅】を映像にして紹介しています。

   ユーチューブで見る

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

konsarutanto Twitterで経営コンサルタントのつぶやき

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■【今日は何の日】 9月10日 ■ 屋外広告の日 広告業といっても範囲は広い ■ 特芳禅傑忌

2020-09-10 00:03:00 | ◇経営特訓教室

【今日は何の日】 9月10日 ■ 屋外広告の日 広告業といっても範囲は広い ■ 特芳禅傑忌

 一年365日、毎日が何かの日です。

  季節を表す日もあります。地方地方の伝統的な行事やお祭りなどもあります。誰かの誕生日かも知れません。歴史上の出来事もあります。セミナーや展示会もあります。

  これらをキーワードとして、私たちは自分の人生に、自分の仕事に、自分自身を磨くために何かを考えてみるのも良いのではないでしょうか。

  独断と偏見で、エッセー風に徒然のままに書いてみました。皆様のご参考にと毎日続けていこうと・・・というよりも、自分自身のために書いてゆきます。 詳細 ←クリック

今日は何の日インデックス】  日付を指定して【今日は何の日】を閲覧できます

■ 屋外広告の日 広告業といっても範囲は広い


 1973(昭和48)年9月10日、「屋外広告物法」の改正法案が可決成立されました。それを記念して、全日本屋外広告業団体連合会が1974(昭和49)年に制定しました。


 屋外広告物とは、屋外にある広告物のことであることは想像つきます。風でよく飛ばされる立て看板、遠くから見え、屋上にある大きな広告看板、電信柱に取り付けられた電柱広告などが一般的でした。


 昔は、映画ポスターがあちらこちらに貼られていましたし、チンドン屋やサンドイッチマンがあちらこちらで見られました。最近は、移動広告車があまりにも派手すぎると言うことで、自治体で条例を規制するところもでてきました。


 ヨーロッパを訪問したことのある人は、街を歩いていても何となく落ち着くことがあると思います。屋外広告の規制が厳しい都市が多いからのように思えます。


 日本でもこの屋外広告物法の施行により、屋外広告業が明確に定義づけられ、屋外広告業者の届出制度が創立されたこともあり、多少問題は少なくなりました。

 

■ 特芳禅傑忌


とくほうぜんけつ
1419年(応永26年)- 1506年10月5日(永正3年9月10日)

 禅傑は、室町時代の臨済宗の僧で、妙心寺四派の一つである霊雲派の開祖です。後に大寂常照禅師と諡されました。

 尾張国熱田(現・愛知県)に生まれ、幼くして出家し、京都の東福寺で、瑞岩について修業しました。龍安寺で義天玄詔の下に参禅したり、行脚したりして龍安寺に戻ると雪江宗深により1473年(文明5年)に印可を受けることになりました。

 大徳寺や妙心寺の住持を務めました。

 その後、細川政元の庇護のもとで龍安寺の再建に取り組み、1488年(長享2年)に中興開山となりました。龍安寺の石庭はこの時に作庭されたとされたのです。

 

■ 【今日は何の日】その他

◇ 旧地蔵盆

 

(ドアノブ)

趣味・旅行のブログ

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする