【カシャリ!庭園めぐりの旅】 曹洞宗仏徳山 興聖寺 道元を開祖とする曹洞宗最初の寺院
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
■■ 曹洞宗仏徳山 興聖寺 道元を開祖とする曹洞宗最初の寺院
興聖寺(こうしょうじ)は、京都府宇治市にある曹洞宗の寺院で、山号は仏徳山(ぶっとくさん)、ご本尊は「釈迦三尊」です。
日本曹洞宗最初の寺院で、1233年(天福元年)、道元禅師が深草に興聖寺を開創し、「観音導利院興聖宝林寺」と号しました。
僧侶の教育・育生を目指す修行道場としては、興聖寺が全国最初に先駆けました。このことから「曹洞宗初開道場」とは興聖寺のことを指します。
■ アクセス
京阪宇治線 宇治駅より徒歩15分
JR奈良線 宇治駅より徒歩20分
〒611-0021 京都府宇治市宇治山田27-1
琴坂・総門(石門)
宇治川を前にして、総門が立っています。ここでは「石門(せきもん)」と呼びます。
坂の両脇を流れる水のせせらぎが琴の音のように聞こえたことから「琴坂」と名づけられました。新緑や紅葉が美しく四季折々の様々な表情を見ることができ、興聖寺を代表するスポットのひとつとなっています。
琴坂
山門・鐘楼
鐘 楼
鐘楼(宇治市指定有形文化財)は、慶安4年(1651年)に建立されました。
梵鐘(宇治市指定有形文化財)も、同年の鋳造で、鐘銘は江戸時代初期の朱子学派儒学者である林羅山の撰です。「興聖寺の晩鐘」として「宇治十二景」と「宇治十境」の一つに数えられています。
山門
山門(竜宮造、宇治市指定有形文化財)は、天保15年(1844年)に改築されました。
禅宗独特の放射架が特色ある龍宮門は、どんな修行僧も龍の如く大成するという願いが込められています。
法堂・庭園
法堂
法堂(はっとう、本堂、宇治市指定有形文化財)は、お寺の中心となる建物です。慶安元年(1648年)に、伏見城から移築され、改築されました。
堂内には本尊釈迦牟尼仏を中心に両側に文殊菩薩、普賢菩薩を祀るほか、達磨大師、大権修理菩薩、十六羅漢がお祀りされています。住職が説法を行う道場であり、朝暮の勤行が行われます。
勅額「興聖寶林禅寺」は四条天皇の筆です。
血天井
伏見城の遺構を用いて建てられたと伝えられ、鶯張りの廊下です。伏見城の戦いの際に東軍の鳥居元忠率いる守備兵は敗北し、自害した血がついたままの血天井など、多くの見どころがあります。法堂裏側には准提観音を祀る准提堂が続いています。
法堂庭園
法堂庭園
僧 堂
僧堂
僧堂(宇治市指定有形文化財)は、慶安元年(1648年)に建立され、元禄15年(1702年)に改築されました。
修行僧が坐禅をするほか、寝起き・食事をする、生活の基本となる場所です。
右側に顔がある特徴的な文殊菩薩坐像、大黒天・毘沙門天、弁財天の三つの顔を持つ三面大黒天をお祀りしています。僧堂では坐禅・写経の体験や法要・講義なども行われます。
開山堂(老梅庵)
開山堂(老梅庵)
僧堂(宇治市指定有形文化財)は、慶安元年(1648年)に建立され、元禄15年(1702年)に改築されています。
道元禅師を初め中興開山の萬安英種と歴代の住職を祀る開山堂は、道元禅師が梅の花を好まれたことから「老梅庵」と名づけられ、扁額も掲げられています。
老梅庵庭園
坪庭