■【心 de 経営】 経営四字熟語008 槐門棘路 ■ 人の上に立つ重み
四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。
四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。
■ 示唆の多い経営四字熟語 No.08
■■ 槐門棘路 (かいもんきょくろ) ■■
■ 人の上に立つ重み
「槐」は「えんじゅ」といい、古名は「えにす」です。広辞苑には下記のように説明があります。 【広辞苑】 (ヱニスの転)マメ科の落葉高木。中国原産。幹の高さ約10~15メートル。樹皮は淡黒褐色で割れ目がある。夏に黄白色の蝶形花をつけ、のち連珠状の莢(さや)を生ずる。街路樹に植え、材は建築・器具用。花の黄色色素はルチンで高血圧の薬。また乾燥して止血薬とし、果実は痔薬。黄藤。槐樹。「槐の花」の季語は夏。 「槐門」は大臣の別称のことです。 「棘」は、「刺(とげ)」と同じ意味で「いばら」を指します。これを「おどろ」とも読みます。 【広辞苑】「棘」 おどろ 草木の乱れ茂ること。また、その場所。髪などの乱れたさま。 「棘路」は音読みでは「きょくろ」で、「おどろ‐の‐みち【棘路】」と読みます。 【広辞苑】 棘路 (1)草木の乱れ茂っている道。 (2)公卿(くぎょう)の異称。「九棘」よりでた語 「槐門棘路(かいもんきょくろ)」とは、大臣などを指す「三公」と「九卿(きゅうけい)」への道は、茨の道のごとく厳しいことから、「三公と九卿」という位や位の高い人を指します。このことから「国政などを預かる最高幹部のこと」です。 「槐棘(かいきょく)」と略して言うこともあります。歴史的に見ますと、周代、朝廷に三槐を植えて三公の座位を示し、九棘を植えて九卿の座位を示したと言います。そのことから「三公九卿の位。公卿」を指すようになりました。 2003年に、(特)日本経営士協会の停滞時期のボトムを迎えたのですが、当時の役員達は何ら手を打とうとせず、それに満足できない会員に、私は担ぎ出されて理事長に就任しました。 その時に、「槐門棘路」という言葉は思い出しました。私はおばあちゃん子でしたから、祖母から色々と学びました。「稔るほど、頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」を教えられました。その時に「槐門棘路」という言葉を併せて覚えるように言われたのです。その時には詳しい意味はわかりませんでしたが、いろいろと教えてくれた祖母は、私が中学二年の時に急逝してしまいました。 日本経営士協会の理事長という大役は、自分自身を見直す良い機会となりました。 |
||
写真: 広辞苑 「えんじゅ」の木 |
■ バックナンバー
これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。
https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef