【日本庭園を知って楽しむ】 2-6 鎌倉時代の庭園 浄土式庭園が主流
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
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■■2 日本庭園の歴史
何ごとも、歴史や生い立ちを知りますと、そのものの本質のようなものが見えてくることが多いです。
庭園も、変化の歴史を知ることにより、知識に幅が出ることもあり、奥深さを見出すことがあります。
「面白みがない」という思いの方もいらっしゃると思いますが、上述のような理由で、私自身のために記述しておきます。
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■ 2-6 鎌倉時代の庭園 浄土式庭園が主流
鎌倉時代の日本庭園は、いくつかの特徴を持っているといえます。
浄土式庭園が主流で、寺院の前に極楽浄土を表現する園池や石組みを配置する形式が挙げられます。
禅宗の影響を受け、中国から渡来した僧侶や石立僧と呼ばれる作庭の専門家が活躍した時代といえます。
蘭渓道隆や夢窓疎石などの名僧が作庭した庭園が多く、龍門瀑や枯山水などの新しい様式が登場しました。京都・天竜寺や信州・光前寺(長野県駒ヶ根市)の滝石組がその例です。
作庭記という日本最古の作庭書が書かれ、庭づくりの思想と技術が体系化された時代です。(重森完途氏・コトバンクを参照して作成)
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重森完途氏による平安時代の庭園概況文を要約しますと、以下のようになります。
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初期には舟遊式のものが作庭されていましたが、やがて舟遊びと回遊を兼ねた形式(西芳(さいほう)寺、鹿苑(ろくおん)寺)から回遊のみの庭園(南禅院)へと移行してゆきます。池泉の形にも、二つの池を結んだ一種の瓢(ふくべ)形の池泉(西芳寺、知恩院)が現れました。
平安期から鎌倉期の庭園は、平面の地割りをとくに重視し、幾何学的・有機的に整然とした地割りをしていますが、これを高所から俯瞰(ふかん)することによって、さらに平面的美観に俯瞰的に見た立体構成による美観を加えるようになってきました。鹿苑寺・金閣のように、楼閣を設け、2階・3階からの俯瞰的観賞を重視しました。
建築では書院造りが現れ、それに対応して回遊式庭園が多くつくられるようになりました。石組みも平安期の優美さが消え、時代相を反映して豪健さが好まれるようになります。
新しい庭園に対する意欲もみられ、作庭家阿波阿闍梨静空(あわあじゃりせいくう)の弟子静玄は、鎌倉の二階堂に高さ3メートル余もある石組みを立て、建久(けんきゅう)3年(1192)8月24日、源頼朝(よりとも)も見物に出かけたことが『吾妻鏡(あづまかがみ)』に記されているほどです。
平安期に造園の参考とされた大和絵の影響に加えて、中国から来朝した禅僧蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)らの意匠が加わり、竜門の滝の様式が生まれました。京都・天竜寺や信州・光前寺(長野県駒ヶ根市)の滝石組がその例です。(重森完途氏・コトバンクを参照して作成)
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■ 日本を代表する庭園
都道府県別
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写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています