ごっとさんのブログ

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日本の養蚕業の今後

2016-01-22 11:40:47 | 自然
数日前の新聞に日本の養蚕業が特集されていました。

日本の古くからの伝統である、カイコを飼いその繭から絹糸を取るという産業は、どうなってしまったのか全くわかりませんでした。なにしろ日本の基幹産業として、明治政府が力を入れて設立した、富岡製糸場跡が世界文化遺産となってしまったように、製糸業とその根幹である養蚕業は過去の遺産となってしまった感があります。これは絹糸だけではなく、日本の繊維産業自体が大きく変わってきています。

大手繊維メーカーも現在はほとんど社名が変更され、繊維メーカーの面影がなくなってきています、例えばカネボウは鐘ヶ淵紡績が変わったもので、今は化学会社か化粧品のような気がしますが、もともとはその名の通り紡績会社でした。そのほか東レは東洋レーヨンであり、クラレは倉敷レーヨンというように、ほとんどが繊維作業から撤退(完全に手を引いたわけではなそうですが)しています。しかし現在、セルロースのナノチューブが新しい繊維として、注目を集めています。これはいわば製紙に関する展開ですので、また別な機会に取り上げてみます。

養蚕については、私の母の実家は大きな農家で、子供のころ(半世紀も前ですが)は養蚕をしていたようです。大きな平屋の家で、いわゆる屋根裏にあたるところが、蚕棚になっていました。いつごろまでやっていたのかはわかりませんが、階段というより梯子のようなもので、桑の枝を運んだ記憶があります。これも子供のころの記憶ですが、ここからかいこの生まれたてをもらったのかわかりませんが、自宅で育てたこともあります。その頃は桑畑だけではなく、畑のあぜ道や道路のはじなどいたるところに桑の木があり、餌やりは問題なかったようです。

このようなことで養蚕というのは私にとってもなじみのあるもので、私が就職したころは会社の研究所の前の畑も桑畑でしたので、いつごろからほとんど見なくなったのかわかりません。最近の新しい試みとして、無菌通年養蚕というのが始まったようです。絹自体が化学繊維などに押されて衰退しているのかもしれませんが、日本伝統の絹を守ろうという動きも出ているようで、また養蚕も見直されているようです。養蚕の工業化での問題点は、やはり桑の葉にあるようで、人口餌を桑の粉を加えることである程度解決できたようです。こうなると餌の上にかいこを飼うだけになりますので、卵からの無菌状態での飼育が可能になったようです。

それでもまだ個体差が出たり、餌の価格など問題が多いようです。しかし全国で養蚕工場がいくつか試みられているようで、新しい養蚕の始まりかもしれません。