ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

薄毛のメカニズム解明か

2016-03-02 10:52:03 | 健康・医療
私はまだ禿になってはいないのですが、床屋に行ってすべて仕上がったとき、合わせ鏡で後ろの部分が良いかどうかを確認します。そのとき頭頂部から後ろにかけてずいぶん薄くなったなと感じます。

普通に前から見ると、まだ分け目が薄くなったりそれほど後退したという感じはしないのですが、後ろは髪の毛の隙間から地肌が見えるような気がします。まあこの歳になると少々禿げてもやむを得ないのですが、たぶん毛髪がかなり細くなり薄くなった感じがするようです。

最近医科歯科大の先生が、この薄毛のメカニズムを解明したという記事が出ていました。簡単に言うと歳をとることにより、毛を生み出す幹細胞が老化し、毛穴の器官である「毛包」が次第に縮小して消えてしまうためというのです。毛包は男性ホルモンによる男性型脱毛症でも縮小するといわれていましたが、これが加齢でも起きることを実証したようです。

毛包では幹細胞が自ら増殖するとともに、毛を作る細胞を供給しており、通常は毛の成長と脱毛、休止というのを繰り返しています。このとき毛包中のコラーゲンが重要な働きをしているようですが、歳をとるとこのコラーゲンが酵素で分解されてしまうようです。そうすると毛包の幹細胞が能力を失って、角化細胞となり毛包が消失してしまうとされています。

従来毛包の消失は、男性ホルモンの作用といわれていましたが、この研究ではコラーゲンに着目したようです。実際に動物実験でマウスを使ってコラーゲンを減少させないようにすると、対象に比べて毛の密度が何割か高くなったようです。ですからこのコラーゲンの分解酵素を阻害するような薬を作れば、薄毛や脱毛の治療薬となるとしています。

しかし私の感想としては、やや疑問点が多い研究という気がします。コラーゲンというのはタンパク質で、細胞を接着するノリのような役割を持ったものです。薄毛になるとコラーゲンが減少することは確かで、面白いところに着目したとは思いますが、結果としてコラーゲンが減るということが、原因であるとは考えにくいような気がします。

もちろんサイエンスに投稿した論文を読んだわけではないので、詳しいことはわかりませんが、脱毛のメカニズムはもっと複雑なような気がします。しかし脱毛や薄毛は、男性だけではなく高齢者にとってはたぶん大きな悩みですので、いろいろな観点からの研究が望まれています。今回の研究成果は、そういった問題解決のひとつの方向を示したものかもしれません。