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ごっとさんのブログ

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脳の起源と進化

2016-03-03 10:54:45 | 自然
知人が脳腫瘍になってしまいました。幸い悪性ではないようで近々手術で取り除くようです。しかし場所が脳ですので、組織を取って検査することはできず、MRI画像の判断ということで若干心配しています。

悪性の腫瘍の場合は、脳組織に浸潤したり、他の組織に絡みついたりという形状を取るようですが、知人のは丸い球の様で良性と判断されたようです。自覚症状は本人の記憶はないようですが、てんかんの発作のようなもの出たのか、現在抗てんかん剤を服用しているようです。

そこで脳について少し調べてみました。脳の始まりは、長さ2㎜直径0.2㎜ほどの管である、「神経管」であったとされています。神経管の内側で神経細胞が作られ、少しずつ膨らんで脳になったと考えられており、その起源は5億年ほど前の原索動物であるホヤにさかのぼるようです。

脊椎動物では、脳の原型ができたのは、人間のように顎がある動物の顎口類と顎のない円口類とが分かれたころで、円口類には脳はないとされていたようです。この代表的な生物がヤツメウナギですが、最近の研究ではこの仲間のヌタウナギを人工飼育して、脳を遺伝子的に解析していったところ、脳の原型である部位が、大脳相当部分だけでなく小脳相当部分まで存在することが分かったようです。

ですから顎口類(原始的なものはサメのようです)に分化した時に脳の発生が起きたのではなく、それ以前の円口類の時代から脳の原型は存在し、約5億年前ということになりました。特に小脳は体制感覚や平衡感覚をつかさどるとされていますが、顎口類では層状の小脳の原型のようなものが存在しているようですが、円口類では見つからなかったようです。

それが遺伝子発現を見ることで、すでにこの時代に存在が証明されたようです。脳と遺伝子発現にどんな関係があるのかわかりませんが、やはり遺伝子は重要なツールになっているようです。

現代の人間の脳は1,350mlの容積があるとされていますが、240万年前のホノハビリスの時代では半分の640mlしかなかったようです。どうやってここまで進化してきたのかは、かなり難しい問題のようです。通常の進化はいわゆる突然変異によって新しい生命ができ、その内うまく環境に適合するものが残るという形でした。それが脳に関しては、古い脳の上に新しい脳が重なるということで進化したようです。

ですから人間の脳は長年の進化の過程が積み重なってできていると言われています。人間の脳を詳しく解析していくと、どんな進化があったのかわかりそうな気もしますが、まだまだ分からないところが多いので、脳は不思議なものになっているのかもしれません。