東京大学の生産技術研究所のグループが、匂い受容体を用いたセンサーを開発したという記事を見ました。
この嗅覚受容体というものはかなり昔から興味を持っていました。私が現役だったころで、もう25年も前の話になりますが、当時動物細胞技術がやっと完成し、遺伝子操作により動物のいろいろなたんぱく質を生産することができるようになりました。当然インターフェロンや成長ホルモンといった、医薬品としての用途があるものから研究されていましたが、当時から注目されているものが嗅覚レセプター(匂い受容体)でした。
動物の嗅覚というのは非常に優れており、当時のもっとも高感度の分析機器の何万倍も感度が良いとされていました。またこのころシックハウス症候群というのが見つかり、建物に含まれる超微量のホルマリンなどによって症状が出るという病気です。このホルマリン量はPPBというオーダーで、分析の検出限界ぎりぎりの数値でした。そういったこともあり、感度の高いセンサーが必要とされていたのです。
ところが嗅覚レセプターというのは、膜の中に埋まったたんぱく質で、非常に難しいものの様でした。大学だけではなくかなりの医薬品・食品関係企業が嗅覚レセプターに取り組んでいるという情報がありました。私はそういった方面は専門ではありませんので、どこが難しいかもよくわかりませんでしたが、化学物質の高感度分析ができれば、私の専門にも大いに役立つと注目していたわけです。
ところがその後ほとんど話題になることがありませんでした。一つには分析方法として免疫を利用した方法である、イムノアッセイというものがどんどん進歩し、この方向で高感度化が達成できて来たということもあります。あとはやはりタンパク質の性質として、本当に難しかったのかもしれません。私も嗅覚レセプターの話は忘れていましたが、こういった研究もずっと続いていたようです。
今回のグループは、スフェロイドという匂い受容体を持った小さな細胞の塊を作成し、その周りにハイドロゲルという水分を保持した物質を配置することによって、匂いセンサーとして微量の化学物質を検出できるようになったということです。この時鼻の粘膜と同じように、受容体の表面が水に覆われていることが、機能発揮に必須だったようです。
この研究の詳細は私も理解できませんし、どこが難しいかなども触れていませんでしたが、やっと動物並みの高感度の化学物質の検出ができるようになったようです。これが実用化されるかどうかはまだ先の話ですし、こういったものが本当に必要かとは別に、ある意味私の夢が実現したような気がしました。
この嗅覚受容体というものはかなり昔から興味を持っていました。私が現役だったころで、もう25年も前の話になりますが、当時動物細胞技術がやっと完成し、遺伝子操作により動物のいろいろなたんぱく質を生産することができるようになりました。当然インターフェロンや成長ホルモンといった、医薬品としての用途があるものから研究されていましたが、当時から注目されているものが嗅覚レセプター(匂い受容体)でした。
動物の嗅覚というのは非常に優れており、当時のもっとも高感度の分析機器の何万倍も感度が良いとされていました。またこのころシックハウス症候群というのが見つかり、建物に含まれる超微量のホルマリンなどによって症状が出るという病気です。このホルマリン量はPPBというオーダーで、分析の検出限界ぎりぎりの数値でした。そういったこともあり、感度の高いセンサーが必要とされていたのです。
ところが嗅覚レセプターというのは、膜の中に埋まったたんぱく質で、非常に難しいものの様でした。大学だけではなくかなりの医薬品・食品関係企業が嗅覚レセプターに取り組んでいるという情報がありました。私はそういった方面は専門ではありませんので、どこが難しいかもよくわかりませんでしたが、化学物質の高感度分析ができれば、私の専門にも大いに役立つと注目していたわけです。
ところがその後ほとんど話題になることがありませんでした。一つには分析方法として免疫を利用した方法である、イムノアッセイというものがどんどん進歩し、この方向で高感度化が達成できて来たということもあります。あとはやはりタンパク質の性質として、本当に難しかったのかもしれません。私も嗅覚レセプターの話は忘れていましたが、こういった研究もずっと続いていたようです。
今回のグループは、スフェロイドという匂い受容体を持った小さな細胞の塊を作成し、その周りにハイドロゲルという水分を保持した物質を配置することによって、匂いセンサーとして微量の化学物質を検出できるようになったということです。この時鼻の粘膜と同じように、受容体の表面が水に覆われていることが、機能発揮に必須だったようです。
この研究の詳細は私も理解できませんし、どこが難しいかなども触れていませんでしたが、やっと動物並みの高感度の化学物質の検出ができるようになったようです。これが実用化されるかどうかはまだ先の話ですし、こういったものが本当に必要かとは別に、ある意味私の夢が実現したような気がしました。