ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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風邪に効かない抗生物質

2017-11-23 10:41:54 | 
風邪の原因はウイルスなので、細菌を殺す抗生物質は効果がなく、むしろ不必要な抗菌剤の服用で薬の効かない「薬剤耐性菌」の増加が問題になっていると言います。

30年後には世界で1千万人が耐性菌によって亡くなるという試算も出ているようです。私はこのブログでも書いているように、風邪を引いたらゆっくり寝ると同時に抗生物質を使うべきという意見を持っています。

この記事は耐性菌を薬の成分を分解したりブロックすることができるように、遺伝子を変化させた細菌と定義しています。抗生物質などの抗菌剤を服用すると、病原菌や体内にいる多くの菌が退治されますが、その薬に耐えられる病原菌が生き残ったり、生き残れるよう変化したりするというのが、耐性菌が増える原因としています。

現在は街中に耐性菌が広がり、その耐性が高度化していると注意を呼び掛けています。これは薬を欲しがる患者に安易に抗生物質を処方する医者がいることも問題だとしています。

こういったキャンペーンはかなり前から繰り返し行われ、抗生物質を処方する医者も少なくなっているようですが、まだ続いているようです。

こういったことへの私の反論はあまりまとめていませんでした。

まず風邪についてですが、ウイルスで起きることは間違いありません。2,3日熱が出てこれが治まるとスッキリ治るかというと、必ずしもそういうケースだけではなく、のどの痛みや体のだるさ、咳などがなかなか取れず長引くことも多いと思われます。

これは常在菌といって体の中に住み着いてはいるが、何の症状も出なかった細菌が増殖するために起きる病気です。中には風邪をこじらせて肺炎になったりすることもあります。これは明らかな細菌感染症ですので、抗生物質の投与が必要となるわけです。つまり風邪というのはウイルスと細菌の複合感染と言えるわけです。

次に耐性菌の問題ですが、耐性菌はもともとの酵素が変異し抗生物質を分解するようになることは確かですが、この酵素は本来の目的からすると正常でなくなったわけです。ですから耐性菌は同じ菌種に比べて弱く通常はほとんど増殖しませんし、病原性もほとんどありません。

たぶん周りにも耐性菌感染症で亡くなった人はいないと思います。ただもともと重篤な病気を抱えているような人は、耐性菌感染症となる可能性がある、つまり院内感染と呼ばれるケースです。ですから耐性菌を問題とする人は重篤な患者の多い大病院の医師だけといってよいのかもしれません。

ヒトの体の中は細菌だらけですので、外から入ってこなくても増殖する機会をうかがっているといえます。ウイルス感染はその良いきっかけとなりますので、熱が下がり始めたら抗生物質というのが正しい治療法と思っています。