軟骨の主成分として知られる「コンドロイチン硫酸」に、大人の脳内で神経細胞が新たに作られるのを促す働きがあることを、九州大学などの研究グループがマウスの実験で解明しました。
この物質を利用して神経細胞を効率よく増やせば、加齢によって低下した認知機能の改善につながる可能性があるようです。
コンドロイチンは私が興味を持っている化合物の一つですが、ムコ多糖類といって実験に使うには非常に扱いにくい物質です。これは動物の体の非常に多くの組織に分布しており、様々な生理機能を持つようですが、まだまだよく分からない部分の多い物質です。
コンドロイチンはグルクロン酸という糖とN-アセチルガラクトサミンという糖が反復する長い糖鎖に硫酸が結合した構造を持っています。基本的にはこの2種の糖でできていますが、生体内でのコンドロイチン糖鎖は全く同じものがほとんど存在しないと言われるほど多様性に富んでいます。
さらにコアタンパク質と呼ばれるタンパク質と、キシロ-ス、ガラクトースを含んで結合した複雑な構造を持っています。主な機能は、軟骨組織表面に存在し、ヒアルロン酸やコラーゲンと共にクッションの役割を果たしています。
さて研究グループによると、一般的に脳の神経細胞は大人になると新たに作られることはなく、加齢などに伴い神経細胞が減ると認知機能の低下につながります。しかし脳内で記憶や認知機能の中枢を担う「海馬」では、大人でも神経細胞が作られることが知られています。
そこで研究グループは、海馬にも含まれるコンドロイチン硫酸に着目しました。薬を使って大人のマウスの海馬にあるコンドロイチンの量を少なくする実験をすると、新たに作られる神経細胞が減り、記憶力も落ちるという結果になりました。
また、普通のマウスを回し車などで運動させると海馬の神経細胞が増えましたが、遺伝子操作で海馬のコンドロイチンの量を半分ほどにしたマウスでは、運動させても神経細胞が増えませんでした。
研究グループは、海馬のコンドロイチン硫酸の量を増やすことができれば、運動による認知機能改善を高めることが期待できるとしています。
コンドロイチンを含むサプリメントなどは多数販売されていますが、先に述べたように多糖類ですので、そのまま経口で摂取しても胃腸で分解されてしまうため、脳内で作られるのを促す物質の研究を進めるようです。
これでコンドロイチンの新たな機能の一つが解明されましたが、この産生を促すような薬ができれば、さらに多くの臓器内での役割が分かってくるような気がします。
この物質を利用して神経細胞を効率よく増やせば、加齢によって低下した認知機能の改善につながる可能性があるようです。
コンドロイチンは私が興味を持っている化合物の一つですが、ムコ多糖類といって実験に使うには非常に扱いにくい物質です。これは動物の体の非常に多くの組織に分布しており、様々な生理機能を持つようですが、まだまだよく分からない部分の多い物質です。
コンドロイチンはグルクロン酸という糖とN-アセチルガラクトサミンという糖が反復する長い糖鎖に硫酸が結合した構造を持っています。基本的にはこの2種の糖でできていますが、生体内でのコンドロイチン糖鎖は全く同じものがほとんど存在しないと言われるほど多様性に富んでいます。
さらにコアタンパク質と呼ばれるタンパク質と、キシロ-ス、ガラクトースを含んで結合した複雑な構造を持っています。主な機能は、軟骨組織表面に存在し、ヒアルロン酸やコラーゲンと共にクッションの役割を果たしています。
さて研究グループによると、一般的に脳の神経細胞は大人になると新たに作られることはなく、加齢などに伴い神経細胞が減ると認知機能の低下につながります。しかし脳内で記憶や認知機能の中枢を担う「海馬」では、大人でも神経細胞が作られることが知られています。
そこで研究グループは、海馬にも含まれるコンドロイチン硫酸に着目しました。薬を使って大人のマウスの海馬にあるコンドロイチンの量を少なくする実験をすると、新たに作られる神経細胞が減り、記憶力も落ちるという結果になりました。
また、普通のマウスを回し車などで運動させると海馬の神経細胞が増えましたが、遺伝子操作で海馬のコンドロイチンの量を半分ほどにしたマウスでは、運動させても神経細胞が増えませんでした。
研究グループは、海馬のコンドロイチン硫酸の量を増やすことができれば、運動による認知機能改善を高めることが期待できるとしています。
コンドロイチンを含むサプリメントなどは多数販売されていますが、先に述べたように多糖類ですので、そのまま経口で摂取しても胃腸で分解されてしまうため、脳内で作られるのを促す物質の研究を進めるようです。
これでコンドロイチンの新たな機能の一つが解明されましたが、この産生を促すような薬ができれば、さらに多くの臓器内での役割が分かってくるような気がします。