ごっとさんのブログ

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失明リスクの高い緑内障

2018-10-15 10:22:06 | 健康・医療
少し過ぎてしまいましたが、10月10日は眉毛と目のように見えるという、ややこじつけのような気もしますが目の愛護デーとなっており、昔からある失明予防の日ということでした。

日本人が人生の途中で視覚を失う原因のトップは緑内障です。

やや古いデータですが、日本緑内障学会が岐阜県多治見市の住民を対象に行った疫学調査「多治見スタディー」によると、40歳以上で緑内障と確定診断された人は5%でした。普通に生活している中高年の20人に1人は中途失明のリスクがあることになります。

私の周りでも、会社の大先輩が多分70代ぐらいに緑内障を発症し、比較的短時間のうちに完全に失明してしまいました。また知人で緑内障と診断されて、点眼薬で病気の進行を遅らせている人もいます。

現代の社会では目から入る情報が圧倒的に多く、目が悪くなるということには大いに危機感を持っています。

緑内障は、眼から入力された情報を脳に伝達する「視神経」に障害が生じ、情報処理できない部分の「視野欠損(認識されなくて見えない)」や、視野が狭まる「狭窄」が生じる病気です。発症初期は正常な目が、視野の欠損や狭窄を補ってしまうため、異常に気付きにくいようです。

「疲れ目か」「近視が進んだのか」と思っているうちにじわじわ視野が欠けていくということになります。視野異常以外の典型的な自覚症状は(1)階段を踏み外す、(2)距離感の異常、(3)人にぶつかりやすくなる、(4)人や自転車が急に横から飛び出してくるように感じる、などがあります。

情報処理できない欠損部で生じた「死角」から人や物がいきなり視野に入ってくる状態で、交通事故などが危ない状況と言えます。

最近は、テレビの「ノイズ(砂嵐)」を利用したセルフチェックを提供するサイトも増えています。気になる場合は簡単に利用できるようですが、こうした症状に気づいたときは、すでに緑内障が進行している可能性が高いようです。

いったん視野が欠けてしまうと回復は不可能で、点眼薬などで緑内障の進行リスクである眼内圧力を下げ、進行抑制するしか方法はありません。また眼からの「情報入力」が減ると認知症リスクが上昇すると言われていますので、無症状のうちに眼の健康を確認することが必要です。

私は特に眼が良いわけではありませんが、これまで眼に関する問題がなかったため一度も眼科を受診したことがありません。そのうち健康診断を眼科で受診した方が良いのかもしれません。

緑内障の家族歴がある、ステロイドを服用している、糖尿病などの慢性疾患がある、眼の外傷、あるいは屈折矯正術の経験があるなど発症リスクのある人は、眼科の定期診断を始めるといいようです。