ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

万病の元 慢性炎症

2019-01-13 10:31:41 | 健康・医療
ガン、アルツハイマー病、糖尿病、アトピー性皮膚炎、老化などの万病には「慢性炎症」という原因があるという説があります。

慢性炎症は、ほとんどすべての病気の根底に存在し、現代の医学では我々の健康寿命を阻む最大の原因の一つとされています。ただしこういったことはあまり広まっておらず、私もよく知りませんでした。

慢性炎症ような一見おぼろげで表に見えにくいものは、今の日本人にとっては興味を惹きにくい存在なのかもしれません。

炎症とは、本来身体を守るための一過性の反応です。体内に病原体が侵入してくると、血液中の白血球がその組織に入り込んで病原菌を追い出すとともに、傷んだ組織の修復が始まりやがて傷が癒えます。この一連の反応が炎症と呼ばれる現象で、通常は自然に消退する反応です。

ところがこの反応がうまく治まらずにだらだらと続くと、炎症を起こしている組織では細胞が傷ついて死に、繊維成分が増えて組織の構築が変わり、硬くなり組織全体の機能が低下してきます。そして炎症の影響がやがては全身に及ぶようになり、これが慢性炎症です。

このようなことが動脈の壁で起きれば動脈硬化につながり、さらには心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。慢性炎症が肺で起きれば肺線維症に、肝臓で起きれば肝硬変に、皮膚で起きればアトピー性皮膚炎に、そして脳で起きればアルツハイマー病につながります。

肥満の人の脂肪組織ではでは慢性的に炎症が起きていて、その影響が膵臓に及ぶと糖尿病が始まります。さらに慢性炎症が起こっている組織ではガンができやすくなるとしています。

このあたりあまり納得できるものではありませんが、一つの考え方としてはありそうな気もします。このようにアルツハイマー、動脈硬化、糖尿病ガンなどを含む多くの現代人の病気の根底に慢性炎症が存在し、それが諸悪の根源であることが医学の進歩とともに分かってきました。

欧米ではすでに15年以上前から、慢性炎症が目には見えにくい恐ろしい存在であることから、サイレントキラーと名付けられているそうです。

しかし日本では慢性炎症の危険さに関する認識が比較的薄く、国の医学研究の中枢を担う日本医療研究開発機構が慢性炎症に対する研究に重点を置くようになったのは、ここ数年のこととしています。

この慢性炎症の原因としては、免疫反応にはアクセル役とブレーキ役があり、これがうまく働かなくなることによるとしていますが、具体的にはよく分かりませんでした。

この慢性炎症という概念はそれほど新しいものではないようですが、全ての病気をこれで説明するのは無理があるような気もします。