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血液検査で食道ガンの96%を発見

2019-08-02 10:21:53 | 健康・医療
血液中にある微小な生体分子「マイクロRNA」を調べてガンの有無を判別する新検査法で、食道ガン患者の96%を見つけることができたと、国立がんセンターの研究グループが発表しました。

このマイクロRNAによるガン診断については、4月にこのブログでも取り上げましたが、実用化を目指してガンの部位ごとの研究が進んでいるようです。

今回の成果は食道ガンでの実用化のめどが立ったことを示し、現在人間ドックなどに導入されている腫瘍マーカーよりも発見率が高い「診断マーカー」としての活用が期待できます。

研究グループは国立がんセンターの中央病院をはじめ、センターに所属する多くの臨床、研究部門のメンバーで構成されています。研究グループは、一般の細胞だけでなくガン細胞からも血中に分泌されるマイクロRNAに着目しました。

ガンの種類により、それぞれのガンに特有な種類のマイクロRNAが血液中に分泌されることを突き止め、マイクロRNAの種類や分泌量の変化を調べて高い確率でガンができているかどうかを判別する手法を考案しています。

検査に必要な血液はわずか1~数滴で、研究対象は胃ガン、食道ガン、肺ガンなど日本人に多い13種類としています。研究グループは今回、食道ガン患者566人とガンを持たない4965人を合わせた5531人の血液を使って、食道ガンに特徴的なマイクロRNAを調べました。

その結果、ガンの有無の判定に使える6種類を特定し、これらの分泌量などを調べる新検査法によって96%の食道ガン患者を発見できることを確認しました。早期ガンのステージ1から進行ガンのステージ4まで、いずれの進行度でも95~100%という高い確率で患者を診断できました。

マイクロRNAは、血液や唾液、尿などの体液に含まれ、22程度の小さなRNAで、人間では2500種類以上あるとされています。正常な細胞だけでなくガン細胞も特有のマイクロRNAを放出してガンの進行に関わる様々な悪さをすることが分かってきました。

現在の腫瘍マーカーは、主に細胞がガン化して死ぬときに出すタンパク質を検出する仕組みです。このためある程度ガンが進行しないと発見が難しく、精度向上が課題となっています。

食道ガンは男性に多く、10年生存率は約30%で、ステージ1では65%ですがステージ4は約7%で、早期発見・治療が最大の課題とされています。

今回の成果は非常に簡便な検査法で、早期診断ができる可能性を示しており、検査機器の問題などあるかもしれませんが早く実用化してほしい検査法と言えそうです。