ごっとさんのブログ

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糖尿病予防に緑茶が有効

2019-08-08 10:25:54 | 健康・医療
緑茶が健康に良いというのは、昔からよく言われていることです。これは緑茶中のカテキンが注目されることが多いのですが、最近はポリフェノールであるカテキンよりも「テアニン」が研究されているようです。

カテキンは渋み成分なのに対し、テアニンは緑茶の旨味・甘味の成分でリラックス効果があることなどが知られています。

さらに九州大学の「久山町研究」等との共同研究によってこれが確認されています。福岡県久山町の住民は、全国の平均とほぼ同じ年齢・職業分布になっています。そこで日本人の代表的なサンプル集団として60年前から住民を対象にした疫学調査を実施しています。

今までに約1万人の住民を対象に詳細な健康情報を収集し、我が国のコホート研究(疾病の要因と発症の関連を調べる検察的研究)の実現に貢献してきました。

まずは高血圧の調査からスタートし、現在では認知症、糖尿病など研究テーマは生活習慣病全体に広がっています。例えばこの調査によって認知症をテーマに、久山町研究では65歳以上の住民を対象に追跡調査を行い、日本の認知症患者数は2025年には700万人と見込まれると導き出しています。

さて「テアニン」は茶葉特有のアミノ酸で、お茶に含まれるアミノ酸の60%以上を占めています。煎茶1杯当たり約8mgで、玉露や抹茶だと約40mgと上質な茶葉ほど多く含まれています。

テアニンは接種後1時間をピークに速やかに代謝され、グルタミン酸とエチルアミンに分解されて、24時間以上血清中に存在するといわれています。今回の共同研究には7年を費やし、緑茶をよく飲んでいる人ほど血清中に残存するエチルアミンの濃度が高いと確認できました。

さらに今回の研究により、血中エチルアミンの濃度が高いほど2型糖尿病のリスクが低下すると確認できました。今まで血清エチルアミンの濃度と2型糖尿病発症の関係を検討した疫学研究は存在しませんでした。

なかでもエチルアミンが高いと、「65歳未満」「境界型糖尿病」「肥満者」の3群が30%も発症リスクが低下することが確認できたようです。

境界型糖尿病とは、糖尿病と診断されるほどではないものの、正常より血糖値が高い状態でいわば予備軍と言えます。また肥満は2型糖尿病を発症しやすい傾向にあるとされています。

つまり糖尿病発症リスクが高い人でも、血清エチルアミンの濃度が高くなればそのリスクは低下するといえるようです。

このような疫学調査では、エチルアミン量と糖尿病との関連を見ているわけですが、これ以外の要素があるのかまたエチルアミン濃度はお茶の摂取と相関するかなど色々不明な部分も出てくるようです。

この辺りが疫学調査の限界のような気もしますが、お茶が糖尿病予防に効果あるという結果が出たのであれば、お茶を飲む習慣をつけても良いのかもしれません。