海でおぼれているような息苦しさが続くのが、COPD(慢性閉そく性肺疾患)の末期の症状と言われています。
東京慈恵会医科大学と北里大学の研究グループが新たな予防法・治療薬の開発につながる研究成果を発表しました。
COPDは慢性気管支炎と肺気腫の総称で、国内の推定患者は500万人以上で、治療患者数は約22万人(2005年)で多くの患者は治療に結びついていません。
私は数年前ですが、何かの時に肺のCTを取りました。たまたまその9年前に撮影したCT画像が残っており、それと比較した結果やや肺にふくらみが見え、肺気腫になりかかっていると診断されました。
その時にはすでに喘息用の吸入治療をしていましたが、それが肺気腫の予防にもなるという事で今でも続けています。これでCOPDの治療をしていることになるのか分かりませんが、特に症状は無いもののやや気になる病気のひとつです。
主な原因はタバコで、喫煙本数×期間でいつ発症するか違ってきますが、加齢もCOPDに関係しているため、患者のほとんどが高齢者となっています。
タバコの有害物質で気管や肺胞に慢性炎症が起こり、肺胞が酸素を取り込めなくなる病気とは分かっていましたが、炎症は強いものではなく、これが原因かそれともCOPDによる結果か、メカニズムがはっきりしておらず、治療法も良いものがありません。
今回の研究グループが発表した内容は、タバコの有害物質によって、肺の細胞内にある本来無害な鉄が有害な鉄へと分解され、それによって細胞膜を構成する脂質が酸化され細胞死に至り、COPDを発症するというものです。
もともとCOPDの患者の肺では、喫煙で肺の上皮細胞が障害され、細胞死が存在することは明らかになっていました。細胞死は鉄とリン脂質が関係していて、有害な遊離鉄によって細胞膜のリン脂質が酸化し、細胞死を引き起こす「フェロトーシス」が生じます。
本来細胞内の鉄はフェリチンという安定・無害な状態で貯蔵されていますが、細胞内タンパク質の分解機能であるオートファジー機構で有害な遊離鉄へと分解されます。このメカニズム解明により患者のQOLを改善させる湯な新しい治療が期待できるようです。
本来の無害な鉄は、「NCOA4」という積み荷を運ぶトランクのようなもので運ばれ、オートファジーという処理工場で有害な遊離鉄に分解されます。このNCOA4の働きを抑えることで、有害な遊離鉄への分解を抑制し、細胞膜の酸化反応やフェロトーシスを抑制できると考えられます。
また細胞膜を構成する脂質の酸化は「GP×4」というタンパク質でも抑制でき、GP×4を強化することで酸化を抑え、細胞死を回避することも可能なようです。こういったことから将来良い治療法が開発される可能性に期待しています。
東京慈恵会医科大学と北里大学の研究グループが新たな予防法・治療薬の開発につながる研究成果を発表しました。
COPDは慢性気管支炎と肺気腫の総称で、国内の推定患者は500万人以上で、治療患者数は約22万人(2005年)で多くの患者は治療に結びついていません。
私は数年前ですが、何かの時に肺のCTを取りました。たまたまその9年前に撮影したCT画像が残っており、それと比較した結果やや肺にふくらみが見え、肺気腫になりかかっていると診断されました。
その時にはすでに喘息用の吸入治療をしていましたが、それが肺気腫の予防にもなるという事で今でも続けています。これでCOPDの治療をしていることになるのか分かりませんが、特に症状は無いもののやや気になる病気のひとつです。
主な原因はタバコで、喫煙本数×期間でいつ発症するか違ってきますが、加齢もCOPDに関係しているため、患者のほとんどが高齢者となっています。
タバコの有害物質で気管や肺胞に慢性炎症が起こり、肺胞が酸素を取り込めなくなる病気とは分かっていましたが、炎症は強いものではなく、これが原因かそれともCOPDによる結果か、メカニズムがはっきりしておらず、治療法も良いものがありません。
今回の研究グループが発表した内容は、タバコの有害物質によって、肺の細胞内にある本来無害な鉄が有害な鉄へと分解され、それによって細胞膜を構成する脂質が酸化され細胞死に至り、COPDを発症するというものです。
もともとCOPDの患者の肺では、喫煙で肺の上皮細胞が障害され、細胞死が存在することは明らかになっていました。細胞死は鉄とリン脂質が関係していて、有害な遊離鉄によって細胞膜のリン脂質が酸化し、細胞死を引き起こす「フェロトーシス」が生じます。
本来細胞内の鉄はフェリチンという安定・無害な状態で貯蔵されていますが、細胞内タンパク質の分解機能であるオートファジー機構で有害な遊離鉄へと分解されます。このメカニズム解明により患者のQOLを改善させる湯な新しい治療が期待できるようです。
本来の無害な鉄は、「NCOA4」という積み荷を運ぶトランクのようなもので運ばれ、オートファジーという処理工場で有害な遊離鉄に分解されます。このNCOA4の働きを抑えることで、有害な遊離鉄への分解を抑制し、細胞膜の酸化反応やフェロトーシスを抑制できると考えられます。
また細胞膜を構成する脂質の酸化は「GP×4」というタンパク質でも抑制でき、GP×4を強化することで酸化を抑え、細胞死を回避することも可能なようです。こういったことから将来良い治療法が開発される可能性に期待しています。