ごっとさんのブログ

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健康保険制度は崩壊の危機

2019-08-09 10:23:48 | 時事
「老後資金として2000万円必要」と記された金融庁の報告書が大きな問題となっています。

これについては野党やマスコミの対応、政府の対応が悪いだけで、それほど問題とは思っていません。この報告書を読んだわけではありませんが、平均の年金額と平均の生活費を出すと老後2000万円必要ですが、平均貯蓄額が2000数十万円あるので、これを投資などで有効に運用しようという内容のようです。

ここで平均貯蓄額を無視して年金だけでは足りないという部分のみを取り上げているので、問題になっているだけだと思っています。この年金問題よりも懸念されるのは健康保険制度のような気がします。

1961年に全国の自治体で達成され、長らく日本の医療を支え続けた国民皆保険制度で、日本はどんな疾患でもすべて公的な医療保険でカバーされてきました。

義務教育就学後〜70歳では、医療費は3割負担であり、例えば医療機関に風邪でかかっても数百円の支払いで済んでいます。しかし近年医療費の急激な増加で、この制度の危機が叫ばれています。

2017年度の医療費は42兆2000億円と過去最高を記録しています。社会保険料の自己負担分は年々上昇しており、2040年には医療費は約70兆円に増大すると厚生労働省は試算しています。

一方最近は少子化が進み、将来的な生産年齢人口の減少は食い止めることはできません。子供を産める世代の女性の減少及び非婚化により、今後人口上昇に転じさせることはほぼ絶望的と思えます。

高齢者の人口の増加による医療費の増大、生産年齢人口の減少により税収が伸び悩むことを考えると、皆保険の持続が危ぶまれることは確かなようです。

私は勤務していたころから健康保険料を納めていたはずですが、給料から天引きされていたためまったく気にしていませんでした(たぶん大部分のサラリーマンもそうだと思います)。現在は自分で納めていますので、年間かかった医療費(通知が来るようになっています)と比較してみるとどうも保険料の方が多くなっています。

この制度は皆で病気の人を助けるという相互扶助ですので、やむを得ないのですが、何となく損をしているような気がします。

さて医療費の増大は「高齢化」が大きな原因で、2017年度では75歳以上の1人当たりの年間医療費は約94万円になるそうです。それだけではなく医療の進歩は目覚ましく、技術の進歩も医療費上昇の一因となっています。

オプジーボなどの高額医薬を持ち出すまでもなく、今後医療費は上がり続けるでしょう。この「医療費の問題」は今後時間と共により表面化してくるでしょう。私が生きている間は持ちそうだからで済ませてはいけない問題のような気がします。