ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

香りブームと「香害」

2019-08-04 10:25:18 | その他
ここ数年、合成洗剤や柔軟仕上げ剤などの香りがかなり強くなっているようです。

その強い香りで体調を悪くする人が続発し、その現象を表す「香害」という言葉が市民権を得つつあります。

私の家では香りが出るようなものは嫌いで、色々なものを無香料という表示があるものだけ使っていますが、それでも香りが残ることがあるようです。この香害は、マイクロカプセル技術によって生み出されたといっても過言ではないようです。

香料マイクロカプセルは、目に見えないほど小さなプラスチックのカプセルの中に香料を閉じ込め、熱や摩擦などでカプセルの膜が破裂することで少しずつ香料を放出する技術です。膜が破裂するまで香料が揮発せず、化学変化も起こさないため、香りが何日も(場合によっては何カ月も)長続きします。

主な材料はメラミンホルムアルデヒド、ポリウレタン、ポリウレアなどでできています。一般的に香料は、合成洗剤で1~2%、柔軟仕上げ剤で10%しか洗濯物に残らないのですが、マイクロカプセルを使用した場合は合成洗剤で20%、柔軟仕上げ剤で50%も残るとされています。

香料がマイクロカプセルに入った結果、柔軟仕上げ剤愛用者の衣類から放たれた香りは何メートルも飛び、近隣の洗濯物の香りで窓が開けられない飲食店や、公共交通機関の座席に香りが付着する、店で売っている商品のパッケージに香りが移るなどの状況が日常化しています。

マイクロカプセルの直径は数μm(マイクロメートル)から数十μm、膜の厚みは1μmに満たない大きさです。破裂してバラバラになったマイクロカプセル片は1μmより小さくなります。

空気中を漂えば、環境省などが2012年から大騒ぎしたPM2.5(2.5μm以下の微粒子状物質)と実質的に同じとなるわけです。今はあまり問題になっていませんが、PM2.5の浮遊物質が人体に有害であることは変わりなく、吸い込めば肺などの組織に入り込めるサイズです。

また中身の香料の方には、アレルギーや喘息を発症させる物質、発ガン性物質、環境ホルモン(これも死語に近いですが)が含まれている物質があるようです。

日本では、香料を含有した製品に成分名を表示する義務がなく、ただ「香料」と表示されているだけとなっています。一つの製品には数十から数百の香料成分が使用されているようです。

またマイクカプセルは含有量が製品の1%未満のため、日本では表示の必要がなく、これを使用しているかどうかは判断できません。

この量は予想外に多く(もちろん1%未満ですが)、日本の大手洗剤メーカーが今年発売した柔軟仕上げ剤には、1回の使用量にマイクロカプセルが1億個も入っていると発表しています。

批判的なことばかりになりましたが、個人の好みであり量も多くないことからそれほど問題にするようなことでないような気もします。