ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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高齢者の健康診断

2019-11-05 10:14:06 | その他
人生100年時代、身体と心の健康を保ったまま寿命を全うするにはどうしたらよいのか、これは難しい課題のような気がします。

この健康維持に関しては、高齢者の健康診断は全く意味がないという説があります。日本では企業が従業員に健康診断を受けさせなければいけないという決まりがありますので、ほとんどの人が健康診断を受けています。

ここで異常値が出たからと、それを正常値に戻したとしても、多少心筋梗塞になりにくいなど病気にかかりにくくなるかもしれませんが、健康年齢を上げるつまり若々しさを維持するという点では全く意味がありません。

コレステロール値やGOTなどが「異常」として引っかかっても、それは平均値から外れているというだけで、異常値だと病気になるという確証があるわけではありません。

健康診断では50~60項目の検査をしますが、その中で病気との因果関係が明白なのは血圧や血糖値、赤血球数など5項目ほどです。それもかなり異常な値だと今後、健康状態を害する可能性が確率論的に高いといえるというだけのことです。

それ以外の項目の数値に関しては、よほどの異常値でない限り将来の寿命に関係しているというエビデンスはありません。異常値と判定された数値を改善しようと努力すること自体が、かえって老化を進めてしまうこともあるようです。

コレステロール値などが典型ですが、コレステロールを下げるような食事制限は身体的にも脳機能的にも老化を進めてしまいます。コレステロール値を低下させることで、免疫力は下がりますし、うつ病のリスクも上がるようです。

男性ホルモンの生成が減って意欲が低下し、シナプス機能が低下することも報告されており、健康になるというよりは「元気のない年寄り」になってしまいます。

実際に健康診断に寿命を延ばす効果があるのだとしたら、なぜ現在の日本の女性は男性に比べて平均寿命が長いのでしょうか。

男性は会社勤めなどしている人が多く、健康診断も定期的に受けていますが、専業主婦の女性などはあまり健康診断など受ける機会が少なかったようです。これからも健康診断を受ければ長生きできるというのは、思い込みにすぎないでしょう。

高齢になれば健康診断でガンが見つかることもあるものです。一説によれば85歳を過ぎて体内に全くガンがない人がいないなど、歳を取ったら誰もが「ガンを飼いながら生きている」というのが現状です。

70歳後半を過ぎたら、ガンは切る必要はなく、手術による体力の衰えの方がはるかに問題です。こういったことから私は健康なうちは健康診断を受け、異常値が出始めたらやめようと思っています。