ごっとさんのブログ

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毛髪検査による健康診断

2019-11-14 10:24:20 | その他
私は年1回市の助成がある健康診断を受けていますが、私の歳になるとこれが本当に必要なのかやや疑問を感じています。

私は若い人は受診した方が良いと思っていますが、近年その是非が議論されているようです。新しい検査法や診断法がどんどん進歩していますので、それほど必要性のない検査まで入っているのかもしれません。

最近身体の意外な細胞を使って、痛みも苦しみもなく健康診断をしようという画期的なプロジェクトが開始されました。その細胞が「毛髪」です。

毛髪で健康診断をしてしまおうというこの技術は、既に日本の名だたる企業がこぞって投資に乗り出し、「毛髪診断コンソーシアム」を立ち上げています。

この研究を提唱したのは理化学研究所で、2016年からこのプロジェクトの準備を開始し、17年には企業21社とともに実際のプロジェクトを開始しました。

従来の血液や尿による健康診断には不安定な部分があり、食べたものや飲んだものなどですぐに検査の数値が大きく変動してしまいます。その点毛髪は死んだ細胞の集合体であり、ミイラにも残るくらい安定した細胞の標本で、身体の状態を表す記憶媒体と考えられるようです。

髪の毛が伸びるスピードは1か月に1センチほどで、根元から1センチには直近1カ月の健康状態が、12センチ先には1年前の健康情報が保存されていることになります。

毛髪の形状や内部に含まれるタンパク質やミネラル、脂肪などさまざまな物質の状態を分析することで、健康データを時系列に手に入れることができ、健康状態の把握や病気の早期発見が期待できます。

肝ガンや乳ガンといったガンや糖尿病など、さまざまな疾患は毛髪の組成に異常を起こすことが研究で分かっています。今後は数多くの毛髪データや病歴、日常の食事や行動などをデータとして蓄積し、ビッグデータを構築することでより幅広い疾患で、より確度の高い健康診断が可能になると期待されています。

安定して健康情報を維持している毛髪が持つポテンシャルは大きく、すでに警察はこの特性を利用し、麻薬などの使用の有無や覚せい剤の使用を調べています。この検査の技法は日本の法医学者が開発したもので、警察以外も麻薬取締部も活用しているようです。

毛髪による健康診断は、データとして安定しているだけでなく非侵襲的な診断方法で、注射などで体を傷つけることがなく、痛みのない健康診断といえます。

気が向いた時にでも、髪の毛をしかるべき機関に送っておけば、健康診断ができてしまうというのは、最も楽な方法といえるのかもしれません。