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「人工臓器」は新時代に突入しているという事実

2023-06-14 10:36:22 | 健康・医療
再生医療という言葉が注目され、人工臓器の可能性まで出てきたようですが、ひとつの見方として人工臓器はいろいろ実施されているともいえるようです。

再生医療そのものは将来性を約束された技術であり、20〜30年ぐらいのスパンで考えれば実用性が高く倫理的にも問題のないものが育っていくはずです。人類が昔から願っていた、老朽化した臓器を蛍光灯のように交換することは夢物語ではなくなっています。

もともと臓器とは「ひとつの機能を司っている身体の一部」という定義ですので、心臓の弁や血液、歯や髪の毛も胃や肺と同じく臓器といえます。

その意味ではメガネやカツラ、入れ歯なども大きくは臓器の交換であり、人類はかなり昔から臓器の交換を行ってきたという言い方もできます。

私は若いころから歯が悪く歯医者のお世話になってきましたが、ついに入れ歯になってしまいました。これで歯の治療から卒業できましたが、臓器の交換といえるのかもしれません。

メガネを人工臓器というのは抵抗がありますが、コンタクトは確かに人工臓器に近いのかもしれません。加齢により水晶体が白く濁って視力が低下する白内障は、症状が悪化すると人工水晶体(眼内レンズ)に交換する手術をします。

これも立派な臓器の交換ですし、大動脈弁を人工弁に入れ替えることも臓器移植の一形態です。こういったこと以外も例えば目や皮膚に関しては、人工臓器が天然の臓器に代替できる目途がついてきています。

iPS細胞の技術も角膜の置き換えについては臨床応用に近づいており、この先死体からの角膜移植に頼る必要はなくなるかもしれません。

また皮膚に関しても、昔は重度のやけどなどで皮膚が大幅に失われた患者に対してコラーゲンやシリコンなどの材料を使ってきましたが、現在では患者由来の皮膚を元に培養した皮膚シートを使った熱傷治療などがすでに軌道に乗っています。

3Dプリンターの技術進歩は目覚ましく、患者にフィットする人工皮膚を作成することはすでに可能になってきています。

腎臓の場合も、週に2,3回も病院に通わなくてはいけない血液透析医療の弱点を解決する携帯型透析治療装置が実現する日は近いと言われています。これは人工腎臓といっても良い技術といえるでしょう。

このように皮膚以外にも、人工肺、人工心臓、関節などはほぼ見込みが付いた状態にあるようです。今後は腎臓・肝臓などの難易度が高い臓器に研究の中心がシフトしていくことになるでしょう。

臓器移植というと丸ごと交換するイメージがありますが、実際は人工臓器という概念が徐々に進んでいるといえるようです。


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