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日本でも「ジョブ型雇用」が流行

2021-11-21 10:25:30 | 時事
最近人事制度の仕組みとして、職務内容(ジョブ)を特定して必要な人員を採用・配置する「ジョブ型雇用」が流行っているようです。

これまでの大企業の正社員は、新卒一括採用で職務内容を限定せず採用し、定期的に職務内容を変えていく「メンバーシップ型雇用」が主流でした。

この方法の雇用は人事評価が難しく年功序列に陥りやすく、いわゆる「働かないオジサン」を生み出してしまうことなどから「ジョブ型雇用」を推進する流れが強まっています。

一般にはジョブ型雇用は成果主義と同等であるような感じを持っていますが、本来は職種によって賃金が決まるものですので、成果主義ではないような気もします。このジョブ型雇用というのは大きな問題もあり、いわゆる入り口である新卒採用から見直さなければいけないようです。

学校を卒業したてでは、特殊な技能があるわけではなく、どんな職種に向いているかは本人ですら分かっていません。しかし彼らを職に就かせることは、絶対に必要なことです。新卒を一括採用して、企業内で訓練するというのは、ある意味日本の伝統的な手法と言えます。

ジョブ型雇用を推進している人はこの辺りをどう考えているのか、あまり明確にはなっていません。しかし私が現役であった40年前にも、このジョブ型の賃金体系は一部取り入れられていました。

給与は年功序列的な基本給と職務給の2本立てになっていたのですが、この職務給比率を高めていくという流れにはならなかったようです。その後20年ぐらい前には成果主義が流行っていましたが、単に格差を拡大するだけに終わったような気がします。

この成果主義が印象の悪い言葉になっているので、ジョブ型という新鮮なイメージがする言葉を同じ文脈で使っているのかもしれません。しかしジョブ型で順調に給料は上昇するのでしょうか。同じ職種であればある程度はスキルが上昇していきますが、限界がありそうな気がします。

従来の制度では、管理職やリーダーになることによって大幅に昇給しますが、それはほんの一部であり大多数の人は取り残されてしまうのではないかと思われます。

そういった人たちを順調に昇給させる制度としては、悪い制度の代表のように言われている年功序列しかないような気もします。ジョブ型雇用として積極的な転職も進めているようですが、それに合う風土がまだ日本にはなく、成功するのはほんの一握りの人たちのような気もします。

日本の企業体質が変わらないのは、終身雇用制と年功序列といわれて久しいのですが、いろいろ新しい雇用形態などが提案されてはいるものの、結局は格差が拡大したり、低賃金であえぐ人が増えているような気がします。

今回取り上げたジョブ型雇用も、うまく運用するにはまだまだ高い壁があるような気がしています。


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