ごっとさんのブログ

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広がるガンの遺伝子解析

2021-04-16 10:16:32 | 健康・医療
近年個別化医療として、個々の患者に最も適した治療を目指すという動きが広まっています。

その最前線としてガンや難病の原因となる遺伝子の変異や、遺伝子全てを解析しようという取り組みが広まっています。

現在は遺伝子変異を見つけることができても、それに対応する有効な治療法が必ずしも存在していません。そのため検査を受けた患者の具体的な治療につなげることが少ないのが現状ですが、将来の患者のための治療法の開発に役立つことが期待されています。

厚生労働省の会議では、ガン患者の複数の遺伝子変異を一度に調べる「遺伝子パネル」が、全国ですでに約1万件実施されていることが報告されています。

ガンのゲノム医療では、病気とのかかわりが判明している遺伝子変異だけではなく、患者のすべての遺伝子を調べようという「全ゲノム解析」の推進に向けた体制整備の検討も行われています。

国立がんセンターのまとめによると、2020年12月までに1万1558例が登録され、昨年1年間で9446例が実施されており、99.6%の患者がデータの二次利用に同意しています。

ただし2019年9月から20年8月に検査を受けた患者7467人のうち、エキスパートパネルで提示された治療薬が使用された患者は607人でわずか8.1%に留まっています。まだ遺伝子変異と適した治療法との関連は、ごく一部しか明らかになっていないといえるようです。

病気の原因となる遺伝子の検査が注目されている背景には、一度に多数の遺伝子を調べることができる解析技術の進歩があり、様々な病気に遺伝子が関わっていることが明らかになったことがあります。変異を調べることで治療だけでなく、病気の予防などにもつながることが期待されています。

これまでにまとめられた全ゲノム解析などの更なる推進に向けた体制整備(案)では、事業目的を明確化するとして、1.全ゲノム解析などの成果を患者に還元する、2.新たな個別化医療等を実現し、日常診療への導入を目指す、3.全ゲノム解析などの結果を研究・創薬などに活用することが示されました。

こういったゲノム解析結果は、究極の個人情報とも言えますのでいかにこれを保護しつつ研究に役立てていくかが課題かもしれません。

この遺伝子パネルの作製は単に検査体制が整備されてきたという段階ですが、これによって遺伝子と病気、さらに治療法の開発ができれば、病気になったらまず遺伝子を解析するという時代になるのかもしれません。

私の感じではこれが実現するためには、まだまだ多くの時間が必要であり、私が病気になっても利用できることはなさそうです。


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