不整脈などの心臓疾患がある場合は、ペースメーカーによって心臓の正しい鼓動を助けることは知っていましたが、これは生涯に近い長期間使用するものです。
従って体内で溶けるペースメーカーの用途がよく分かりませんでした。心臓の切開手術後にみられる一過性の機能不全を補う働きをする一時的なペースメーカーも存在するようです。
皮膚を通じてリード線を引き、電極を心臓内に挿入すると心臓の筋肉が電極を包み込んでしまいます。問題は不必要になった時、この電極を取り外す際に、傷を心臓に残してしまうことや、除去手術が出血や感染症を招く恐れもあることです。
ノースウエスタン大学の研究チームは、役目を終えた後に溶けて消える「時限的」ペースメーカーの開発を2021年6月に発表しました。
この装置は小さな金属製のコイルアンテナを介して無線で電力を受け取り、さらに小さな電極へと振動を送って心臓の働きを助けます。電気部品はすべて生体適合性を備えており、3か月以内に患者の体内に吸収されてしまいます。
以前からある種のポリマーや鉄、タングステンといった一部の金属は、無害なまま自然に人体に吸収されることは知られていました。しかし医療用電子機器を作るには、金属やプラスチックの他にプログラム化されてデータの入出力を正しく管理する半導体が必要となります。
研究チームは各種シリコンの薄膜を調べたところ、ある種のシリコン部品は水に浸しておくと姿が見えなくなることに気づきました。この発見から傷ついた組織に電気信号を与えて神経の再生を促す薄いシートを作成しました。
これはラットを使った実験で、正常に作動した後体内に吸収されることを確認しました。これによって研究チームは、一時的なペースメーカーを使わずに心拍の遅れを改善できる可能性を見出しました。
電気接点に使われているのはタングステンとマグネシウムの混合物で、電力は同素材のフラットなコイルアンテナを介してワイヤレスで供給されます。
その他も心臓の拍動に合わせて安定性と柔軟性を併せ持つ装置の開発など多くの問題点がありましたが、シリコンの厚さを調節する、接着性ヒドロゲルを使用するなどで解決することができました。
研究チームはこの装置を心臓のサイズが小さいラットやマウス、中くらいのウサギ、人間とほぼ同じサイズのイヌで試験しましたが、全てで心拍をコントロールでき、その後体内に吸収されました。
このような装置は人間の体内における安全性と有効性を実証するために、他の医療機器より多くの試験を実施する必要がありますが、研究チームは3年後には臨床試験を開始したいとしています。
今回の発表は皮下のさまざまな電子医薬品の土台を築くものとして期待されているようです。
従って体内で溶けるペースメーカーの用途がよく分かりませんでした。心臓の切開手術後にみられる一過性の機能不全を補う働きをする一時的なペースメーカーも存在するようです。
皮膚を通じてリード線を引き、電極を心臓内に挿入すると心臓の筋肉が電極を包み込んでしまいます。問題は不必要になった時、この電極を取り外す際に、傷を心臓に残してしまうことや、除去手術が出血や感染症を招く恐れもあることです。
ノースウエスタン大学の研究チームは、役目を終えた後に溶けて消える「時限的」ペースメーカーの開発を2021年6月に発表しました。
この装置は小さな金属製のコイルアンテナを介して無線で電力を受け取り、さらに小さな電極へと振動を送って心臓の働きを助けます。電気部品はすべて生体適合性を備えており、3か月以内に患者の体内に吸収されてしまいます。
以前からある種のポリマーや鉄、タングステンといった一部の金属は、無害なまま自然に人体に吸収されることは知られていました。しかし医療用電子機器を作るには、金属やプラスチックの他にプログラム化されてデータの入出力を正しく管理する半導体が必要となります。
研究チームは各種シリコンの薄膜を調べたところ、ある種のシリコン部品は水に浸しておくと姿が見えなくなることに気づきました。この発見から傷ついた組織に電気信号を与えて神経の再生を促す薄いシートを作成しました。
これはラットを使った実験で、正常に作動した後体内に吸収されることを確認しました。これによって研究チームは、一時的なペースメーカーを使わずに心拍の遅れを改善できる可能性を見出しました。
電気接点に使われているのはタングステンとマグネシウムの混合物で、電力は同素材のフラットなコイルアンテナを介してワイヤレスで供給されます。
その他も心臓の拍動に合わせて安定性と柔軟性を併せ持つ装置の開発など多くの問題点がありましたが、シリコンの厚さを調節する、接着性ヒドロゲルを使用するなどで解決することができました。
研究チームはこの装置を心臓のサイズが小さいラットやマウス、中くらいのウサギ、人間とほぼ同じサイズのイヌで試験しましたが、全てで心拍をコントロールでき、その後体内に吸収されました。
このような装置は人間の体内における安全性と有効性を実証するために、他の医療機器より多くの試験を実施する必要がありますが、研究チームは3年後には臨床試験を開始したいとしています。
今回の発表は皮下のさまざまな電子医薬品の土台を築くものとして期待されているようです。
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