ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

新型コロナ対策となり得る新たな物質

2021-01-03 10:24:49 | 
新型コロナ関連の記事が多くなっていますが、感染は高止まりからやや拡大しているようにも見えます。

この対策として有効な物質の研究が盛んに行われていますが、「JBプレス」に長崎大学などの取り組みが紹介されています。

ここで取り上げているのは5-アミノレブリン酸(5-LAL)で、これはオメガアミノ酸といわれる生体内で生産され、ミトコンドリアで重要な役割を果たしているとされる物質です。

5-LALは日本では脳腫瘍と膀胱がんの診断薬として承認されていますが、ミトコンドリア糖尿病やミトコンドリア病への有効性を調べる臨床研究が行われています。また各種ヘルスケア製品として10年以上前から販売されており、安全性が高いことも分かっています。

細胞レベルでの5-LALの新型コロナへの効果が調べられ、論文が投稿されています。実験はアフリカミドリザルの摘出腎臓細胞由来で、ウイルスワクチンを生産する際によく用いられる培養細胞「VeroE6細胞」と、ヒトの結腸に由来する「Caco-2細胞」を用いて行われました。

両細胞を5-LALで前処理した場合としない場合とで、新型コロナへの感染を評価しました。感染させる新型コロナウイルスには、日本人の患者から採取したものをが使用されています。

その結果VeroE6細胞では72時間前に5-LAL処理をすると明らかな感染阻害効果が見られましたが、48時間前では認められませんでした。これは細胞がウイルス感染抵抗性を獲得するのに、ある程度時間が必要であるためです。

時間の経過とともにVeroE6細胞内に5-LALからできるプロトプルフィリン9の蓄積が観察されており、細胞のウイルス感染抵抗性の獲得はこれに相関している考えられます。Caco-2細胞では72時間前処理、48時間前処理ともに感染阻害効果が見られました。

この結果は5-LALがヒトの細胞でより抗ウイルス効果を発揮しやすい可能性を示唆しています。こういった知見をもとに長崎大学は「新型コロナ感染患者への5-LAL投与に関する特定臨床試験を行う」と発表し、現在20歳以上の新型コロナの軽症または中等症の患者50名を募集中です。

この特定臨床試験は、あくまでも対象となる医薬品の有効性または安全性を明らかにすることが目的で、その結果により承認を得ることがないという臨床試験です。

患者には通常の最善治療に加えて、5-LALと鉄の含有物を1日450mgもしくは750mg摂取してもらい、新型コロナのウイルス量や症状がどのように変化するか、また安全性はどうかを評価するものです。

この5-LALはまだ臨床試験を始めるという段階で、有効性が確認されたわけではありませんが、こういった研究の積み重ねによって、新たな治療薬が見つかることを願っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿