寒さが厳しいと風邪をひいてしまうわけ

このところ寒さが一層厳しくなってきましたが、なぜ体が冷えると風邪をひいてしまうのか簡単な解説記事がありました。

風邪とは上気道炎を起こすウイルス感染症のことで、風邪症候群と呼ばれています。症状は咽頭痛や鼻水など軽度なもので、通常は数日で改善します。

原因はライノウイルスが半分ほどを占めており、2割程度がコロナウイルスで起きるとされています。もちろんこのコロナは現在流行している新型コロナではなく、以前から知られているカゼを引き起こすコロナウイルスです。

ライノウイルスは秋に流行が多いのに比べて、コロナウイルスは冬に流行しやすいとされています。風邪の患者から飛沫感染や接触感染でこうしたウイルスが拡大するので、新型コロナと感染経路は同じです。

気温の低下で体が冷えてくると、体内では色々な変化が起き、血管が収縮して体温を下げないようにする反応が代表的なものです。この結果として血圧が上がったり狭心症の発作を起こしたり、気道の粘膜が過敏になり喘息を起こすこともあります。

ここで気道周辺の血管が収縮したり、気道粘膜が障害されたりして、ウイルスが侵入しやすくなると考えられているようですが、あまり納得性のあることではないような気もします。

ウイルス側の変化としては、インフルエンザウイルスは温度の低下により生存期間が長くなるといわれており、これは新型コロナも含めて風邪を起こすウイルス全般に当てはまるようです。

こういった特徴から患者の飛沫中のウイルスが机の上などに付着すると、冬場ではそこに長時間生きていることになります。これも気温が低下すると風邪をひきやすくなる原因のひとつかもしれません。

またヒトの行動変容が最も大きな原因といわれています。気温が下がると屋外は寒いので、屋内で過ごす時間が長くなります。そこに多くの人が集まると密集状態が作られ、外気が寒いので換気をあまりしなくなり、密閉状態になります。

さらに寒くなると水が冷たくなり、手をあまり洗わなくなるなどの要因が大きいのかもしれません。これに加えて室内でも厚着をすることは、換気を促進するために必要なことで、薄着をすると風邪をひきやすいはこの辺りを指すのかもしれません。

この辺りは新型コロナの感染対策で言われていることと同じですが、今シーズンはインフルエンザが極端に少ないということは、こういった感染対策が功を奏しているようです。

こうしてみると冬に風邪をひきやすい理由は個々を取るとあまり納得性の高いものではありませんが、総合的にこういった要因が重なって風邪をひいてしまうのかもしれません。