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タバコを止めたい喫煙者の非合理的な心理

2024-05-11 10:36:16 | 煙草
私は最近肺の疾患になり、喫煙が悪影響があると分かっているのですが止めるつもりはありません。いわば確信犯ですので、特別な心理状態にはないと思っています。

タバコを止めたい喫煙者は多いようで、そんな喫煙者の心理を考えてみます。日本人の20歳以上が約1億人で、喫煙率が18%程度になっているため、喫煙者は約1800万人となります。2019年の厚生労働省の調査によると、喫煙者の約26%がタバコを止めたいと回答しています。

また約31%が本数を減らしたいと考え、約14%が止めたいか分からないとし、28.5%が止めたくないと回答しています。これをもとにタバコを止めたいと考える喫煙者が1/4から1/3とすると、その数は450万人から600万人程度となります。

一方止めるつもりのない喫煙者は1200万人から1350万人となっています。米国の喫煙者1331人を対象にした調査によれば、タバコを吸い始めたことを後悔している喫煙者は71.5%でした。タバコを止める気がない喫煙者は13.4%で日本の28.5%より少なくなっています。

また喫煙者が肺ガンを心配していることも分かりました。米国の喫煙者1284人を対象にしたオンライン調査によれば、喫煙者の80%以上がタバコを吸い始めたことを後悔し、禁煙できないことに対して不満を抱いていることが分かっています。

喫煙者はタバコが健康にどんな悪影響を与えるかを、自分で調べてよく知っています。また喫煙によるニコチン依存により、自分の行動がコントロールされていることも理解しています。

生活習慣病や依存症の治療は、何より医師や医療関係者が患者の行動を変えるのではなく、患者自らの考えで患者自身の行動が変容することが大切です。依存症の治療には、数多くの行動変容理論を統合して考えられたプロチャスカの段階モデルというものがあります。

このモデルは、患者の関心の度合いや状況により、行動変容の段階を行きつ戻りつしながら、最終的には行動変容を達成し依存サイクルから離脱することができます。しかし喫煙者の心理はそれほど合理的ではありません。

禁煙の困難さを知らずにタバコを吸い始めたことを後悔している喫煙者が多いことが示す通り、自分の意思を合理的な行動に反映しにくくなるためです。

喫煙者のタバコを吸う際の心理状態は、その状況や環境、誰と一緒にいたかなどによってさまざまであり、タバコのリスク認識も多様なことが分かっています。

タバコ規制では、喫煙者の合理的な判断や認識に期待することが多いのですが、喫煙者のリスク認識の脆弱性を考えれば、新たなタバコ政策が必要になるのかもしれません。


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