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春の朝に二度寝してしまう科学的根拠

2024-05-10 10:36:08 | 自然
私は朝は比較的スッキリ目が覚める方で、目覚ましで簡単に起きることができます。それでもごく稀に目覚ましを止めてから、二度寝してしまうこともあります。

私の家では寝室は常にエアコンを入れ一定の温度になるようにしていますので、あまり季節感がないのですが、「春眠暁を覚えず」の傾向はあるのかもしれません。

春の休日の朝に二度寝、三度寝を楽しんだ経験は誰しもあるでしょう。ただ現代人の「春眠」の多くは睡眠不足による寝だめといえそうです。季節に関わらず休日の朝には多くの人が寝だめを決め込んでいます。

睡眠時間や眠気の季節変動を調べた研究はいくつかあり、ともにサインカーブ(波型の曲線)のように季節変動することが分かっています。この結果眠気が強くなるのは、春ではなく冬のようです。一年の中では冬季に睡眠時間が最も長くなり、日中の眠気も強くなります。

夏季は逆に睡眠時間が短く日中の眠気も弱くなり、春と秋はその中間にあたります。冬季に眠気が強くなるメカニズムについては、日照量が減少すると脳内のセロトニン神経機能が低下し、結果的に過眠傾向が強くなるという事で、ヒトでも証明されています。

冬には日照量が減るのに加えて、日の出が遅くなるため体内時計を朝型に調整する効果のある午前中の強い光を浴びる機会が、他の季節より減ってしまいます。

そのため睡眠に深くかかわる深部体温やホルモンなどの生体リズムの位相が一年の中で最も遅くなり、朝に起床しづらくなります。少なくとも睡眠に関する疫学データを見る限りは春眠というよりは「冬眠暁を覚えず」の方がしっくりきそうです。

睡眠時間は冬に長くなりますが、中には冬になると眠りが妨げられる人もいます。その代表が冷え性の人で、寒くなると手足の冷えや痛みで値付けなかったり、途中で目が覚めたりするなど不眠症に苦しむことが少なくありません。

眠りに入る数時間前から手のひらや足裏などにある末梢血管が拡張して、そこから放熱することで体の深部体温を下げる仕組みになっています。脳温が低下することが深く眠るために大いに役立つからです。

春の陽気とともに、気温が高くなって手足が温まれば末梢血管が拡張しやすくなり、寝つきが良くなり朝の二度寝もしやすくなります。また寒さを感じなくなれば睡眠中に副交感神経が働きやすくなり、より眠気を感じやすくなります。

この辺りのことが春先の心地よい「春眠暁を覚えず」に繋がっているのかもしれません。


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