現在新型コロナに対する唯一の有効な手段として、ワクチン接種が進められています。
私は7月に2回の接種が終了したことは、このブログでも書いています。私はファイザー社製のワクチンを接種しましたが、それ以外にも色々なワクチンが広がっています。
すべてRNAワクチンですが、その有効性や副反応などの安全性もいろいろ議論されていますが、ここではそのワクチンの最も基礎的な部分を紹介します。
RNAワクチンの研究の歴史は長く、1980年代にはmRNAを医薬品として使おうという研究がすでに始まっていました。1980年代に考えられていたのは、mRNAを人工的に作って細胞の中に運べば、薬などに利用できるタンパク質を作ることができるのではないかということでした。
しかし実際にRNAを細胞に与えると、拒絶反応として激しい炎症が起き、最悪細胞が死んでしまうことが分かりました。この大きな問題を解決したのが、ビオンテック社とペンシルベニア大学の研究チームです。
この発見によってノーベル賞の有力な候補になると考えています。研究チームは、2005年にRNAを構成する物質の1つである「ウリジン」を化学修飾したものに変えると、細胞に導入しても炎症が起きないことを発見したのです。
これによってRNAをヒトの身体に投与するめどが立ったといえます。しかしこのころはRNAが非常に不安定で壊れやすいことに加え、人工的に作るのには多額のコストがかかることもあり、ワクチンに使えると想像した人はほとんどいませんでした。
しかし研究チームは、この壊れやすい特徴が体の中に残らないという薬としての利点になると考え、さらに研究を続けます。そして2008年には炎症を抑えるだけでなく、RNAを鋳型としてタンパク質を作る方法を見つけました。
その後この技術を使ってインフルエンザ用の新しいワクチンやガンに対するワクチンの研究を進めていたところ、新型コロナウイルスのパンデミックが起きたのです。
ビオンテック社は新型コロナウイルスの遺伝情報が公開されるとすぐにRNAワクチンの開発に着手し、大手製薬会社ファイザー社と提携し大規模な臨床試験を行うとともに、ワクチンの大量生産を開始しました。
このような経緯でわずか1年足らずで、新型コロナウイルス用のRNAワクチンが世界に向けて供給されるようになったのです。この間核酸(RNA)の製造技術が格段に進歩したのはまた別な研究成果と言えます。
以上RNAワクチンについての研究経過を書いてきましたが、ここでは触れなかった、いかにRNAを細胞内に入れるか(ベクターの開発)などの問題もあったようです。
それでもRNAワクチンの研究がほぼ完成した段階で、新型コロナが出てきたというのは、運が良かったといえるのかもしれません。
通常の不活化ワクチンであれば数年が必要であることを考えれば、これだけ早くワクチン接種が始まったことに感謝すべきかもしれません。
私は7月に2回の接種が終了したことは、このブログでも書いています。私はファイザー社製のワクチンを接種しましたが、それ以外にも色々なワクチンが広がっています。
すべてRNAワクチンですが、その有効性や副反応などの安全性もいろいろ議論されていますが、ここではそのワクチンの最も基礎的な部分を紹介します。
RNAワクチンの研究の歴史は長く、1980年代にはmRNAを医薬品として使おうという研究がすでに始まっていました。1980年代に考えられていたのは、mRNAを人工的に作って細胞の中に運べば、薬などに利用できるタンパク質を作ることができるのではないかということでした。
しかし実際にRNAを細胞に与えると、拒絶反応として激しい炎症が起き、最悪細胞が死んでしまうことが分かりました。この大きな問題を解決したのが、ビオンテック社とペンシルベニア大学の研究チームです。
この発見によってノーベル賞の有力な候補になると考えています。研究チームは、2005年にRNAを構成する物質の1つである「ウリジン」を化学修飾したものに変えると、細胞に導入しても炎症が起きないことを発見したのです。
これによってRNAをヒトの身体に投与するめどが立ったといえます。しかしこのころはRNAが非常に不安定で壊れやすいことに加え、人工的に作るのには多額のコストがかかることもあり、ワクチンに使えると想像した人はほとんどいませんでした。
しかし研究チームは、この壊れやすい特徴が体の中に残らないという薬としての利点になると考え、さらに研究を続けます。そして2008年には炎症を抑えるだけでなく、RNAを鋳型としてタンパク質を作る方法を見つけました。
その後この技術を使ってインフルエンザ用の新しいワクチンやガンに対するワクチンの研究を進めていたところ、新型コロナウイルスのパンデミックが起きたのです。
ビオンテック社は新型コロナウイルスの遺伝情報が公開されるとすぐにRNAワクチンの開発に着手し、大手製薬会社ファイザー社と提携し大規模な臨床試験を行うとともに、ワクチンの大量生産を開始しました。
このような経緯でわずか1年足らずで、新型コロナウイルス用のRNAワクチンが世界に向けて供給されるようになったのです。この間核酸(RNA)の製造技術が格段に進歩したのはまた別な研究成果と言えます。
以上RNAワクチンについての研究経過を書いてきましたが、ここでは触れなかった、いかにRNAを細胞内に入れるか(ベクターの開発)などの問題もあったようです。
それでもRNAワクチンの研究がほぼ完成した段階で、新型コロナが出てきたというのは、運が良かったといえるのかもしれません。
通常の不活化ワクチンであれば数年が必要であることを考えれば、これだけ早くワクチン接種が始まったことに感謝すべきかもしれません。
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