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アメリカが「血漿療法」を承認

2020-08-27 10:30:50 | 時事
今月23日夜トランプ大統領が食品医薬品局(FDA)と保健福祉省(HHS)の両長官とともに会見しました。

パンデミックを引き起こした新型コロナ感染症の治療において、ブレイクスルーがあったというものでした。このブレイクスルーとはコロナから回復した人の血液を利用した回復期血漿に対する、政府見解の変化にすぎませんでした。

この治療はすでに多くの患者が利用できるもので、少なくとも7万人がこの治療を受けています。大統領は回復期血漿に効果があると断言していますが、現時点ではその効果について確証は得られていません。

大統領は死亡率が35%低下したことが証明されていると記者会見で語っていますが、今の段階ではまだ真実とは言えません。大規模なランダム化比較試験がまだ実施されていないため、実際のところは誰にも分らないといえます。

それでもFDAは「緊急使用許可(EUA)」を出しました。EUAは回復期血漿を治療薬として承認するものではありませんが、投与を希望する医師に対して使用許可を与えるものです。

今回の発言によると、回復期血漿にEUAを出す要因となったデータは、この血漿の利用を広めることを目的とした全国的なプログラムから得られたとしています。メイヨークリニックの研究者らが主導したこのプログラムは、大規模なランダム化比較臨床試験ではありません。

研究者は35,000人を対象に投与された血漿内の抗体を観察し、早い段階から投与され抗体量が最高レベルを示した患者の生存率が増加したことを示しています。しかしこの35%という割合は、統計的に一部を切り取った数字にすぎないようです。

今回の発表のタイミングは、全体的に違和感を抱かせるものとしています。新型コロナによる死者数は17万人以上になっており、減少の兆しはほとんど見られません。

共和党の候補者指名を受けるトランプ大統領としては、このコロナとの戦いにおいて何らかの進展を示すべきだというプレッシャーが高まっています。

表向きは、それでもEUAを出すことに問題はなく、EUAに求められるのはそれなりの安全性と、有効かもしれないという可能性だけです。EUAは単に緊急時の使用を認可するだけで、緊急事態が終われば自動的に認可取り消されます。

この記事では、コロナの治療法というものを大統領選という政治の道具として使用することを批判しているようです。私としては政治利用しようが、本当に効果の可能性があるものであればどんどん使用することが正しいと思っています。

特に回復期血漿は、ウイルス疾患に対して昔から使われているものですので、科学的な検証が済まなくても使用してみる価値のある治療法といえます。


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