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肝機能の指標であるγ-GTP

2020-04-28 10:22:31 | 自然
酒好きにとって毎年の健康診断で気になってしまうのが、γ-GTPの数値のようです。

γ-GTPは肝臓がアルコールを分解・解毒する作用に関わる酵素で、健康診断では肝機能の指標のひとつとして用いられています。

成人男性では50以下が正常値で、成人女性で30以下ですが、飲酒習慣がある人は健診で毎年100〜150程度の値が出ることもあります。生活習慣によって変化しやすい数値なので、基準値オーバーでも即治療が必要というわけではありません。

ただし2桁の数値に収まっていても、毎年低い値だったものがある年から急に上昇したら要注意といえます。胆石など胆嚢に異常が生じると急激に上昇することが知られており、上昇度合いが非常に大きいケースでは、胆のうガンの疑いも生じます。

それ以外にも飲んでいる薬によってはγ-GTPが急上昇したり、何年も基準値を超えたりしてしまうケースもあります。γ-GTPは薬の代謝にも関わっているため、薬剤性肝障害という一種のアレルギー反応を起こし、数値が上がる場合があります。

これは葛根湯や市販のカゼ薬、肝臓にいいといわれているウコンを飲んだ場合でも起こるようです。新しい薬を飲み始めたときだけでなく、以前から飲み続けている薬が急にアレルギー反応を起こすこともあるといいます。

酒を飲む習慣がないのにγ-GTPが毎年高くなっている人は、服用薬が原因の可能性があるので、医師に相談するなどして確認した方が良いようです。

γ-GTPについて付け加えますと、これは単なる肝臓中にかなり特異的な酵素で、グルタチオンという物質を作るための最後のステップとなります。これはほとんど医師も知らないことですが、γ-GTPの血中濃度と肝臓の機能とはほとんど関係がありません。

γ-GPTは通常肝臓に存在していますので、血中では作られることが少ない酵素です。この数値が上がるという事は、肝臓の細胞が壊れて、中に有った酵素類が血中に流れ出て来るためという事になります。

つまりγ-GPTの数値は、どの程度肝臓の細胞が壊れたかの指標にすぎないわけです。例えば大量の酒を飲んだ場合、アルコールによって肝臓の細胞が壊されますが、これは肝機能が悪くなったわけではありません。

これは他のGOTなどの指標も同じように、肝臓特異的酵素の血液への流出量を測定しているにすぎません。肝臓は常に新陳代謝をしていますので、一定の細胞は壊され新しくなっています。

その為血中の酵素量は一定の値を取っていますが、何らかの理由で新陳代謝が上がっただけで、こういった数値は上がってしまうものです。

肝臓の数値として出されている値が、肝機能を表していないという事が30年以上前から臨床検査分野では大きな問題でしたが、残念ながら未だに改善されず、数値だけが独り歩きしているのが現状です。


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