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脳梗塞の一種もやもや病

2020-05-09 10:20:16 | 健康・医療
脳の血管が詰まる脳梗塞の多くは、加齢に伴う動脈硬化によるものですが、これが子供や若い人に起きた場合「もやもや病」の可能性があります。

この病名は脳内に網の目状に広がった異常な血管が、検査画像でタバコの煙のようにもやもやと見えたことに由来します。

片方の手足や顔がしびれて動かしにくくなる、言葉を出せなくなるというのが主な症状で、数十秒から数十分続きます。吐き気を伴う重い頭痛を訴える人も多く、その引き金となるのが、大泣きする、熱い食べ物に息を吹きかけて冷ますなどの動作である点が特徴的です。

これは脳の一時的な血液不足(脳虚血)によるもので、しばらくすれば多くは回復します。ただこれは脳梗塞の前兆ともいうべき状態ですので、放置するのは危険で、網の目状の血管が破れて出血する恐れがあります。

大人の患者の半数は脳出血を起こして初めてもやもや病と診断され、その後の高い確率で出血を繰り返します。脳の後ろ半分で起きる出血は、再発のリスクが高いとされ、命にかかわる病気として対処しないといけないようです。

発症の仕組みは次のように説明されています。左右の脳に血管を送る2本の内頚動脈は、目の後ろ辺りで全大脳動脈と中大脳動脈に枝分かれしています。

ところが何らかの原因で分岐点付近の血管が狭くなって毛流が滞ると、血液を脳に届けようと周囲に細い血管ができ、これが網の目状に見える理由となります。患者は東アジアに多く、日本は約1万6000人と推定され、女性が多く患者のほぼ3人に2人を占めます。

年齢別では5歳前後と30〜40歳代にピークがあり、小児はほとんどが脳虚血、成人は脳虚血と脳出血が半々となっています。近年この病気を起こしやすい遺伝子異常が見つかり、研究が盛んに行われていますが詳しい原因は解明されていません。

治療は脳虚血の症状がある場合、血栓を作る血小板の働きを抑え、血流を改善する薬のアスピリンなどを服用します。効果は限られるため、頭皮を走る血管を脳内に引き込み、血液が滞る血管につないで血流を補う「脳血管バイパス手術」が行われます。

脳虚血の治療として始まったこの手術の導入で、脳梗塞になるリスクは大きく低下しました。また頭蓋骨に貼りついている筋肉や頭皮の血管の一部をはがし、脳の表面に密着させて血管再生を促す「関節バイパス手術」もあります。

手術後日常生活での制限は多くないのですが、脱水症状が危険なためサウナや岩盤浴、過度の飲酒やタバコは止めた方が良いようです。

あまり聞いたことのない病気ですが、やはり脳は早期発見と早期治療が重要なようです。


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