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新型コロナ治療薬有力候補は

2021-03-07 10:26:16 | 
新型コロナはワクチン接種が始まり、新たな段階を迎えようとしています。

この治療薬についてはこのブログでもアビガンなどいくつかの薬剤を取り上げましたが、確実に有効な治療薬というのはまだ見つかっていないのが現状です。

それでも医療現場では、重症化の予防や死亡率の低下に向けて色々な薬剤が試され、効果のありそうなものには大規模な臨床試験も行われています。特に単独では効果がないものの、複数の治療法を併用すると効果が発揮されるという事実は出てきているようです。

こういった中で新型コロナに対して有効性が認められている薬のひとつが、高価な抗ウイルス薬のレムデシビルです。ウイルスの増殖を阻害し、入院期間を短縮できるものの致死リスクを低下させる効果はないとみられています。

もうひとつが低価格のステロイド剤のデキサメタゾンで、重症患者の致死リスクを低下させることが確認された唯一の治療薬です。

最近注目されているのが免疫を抑制する効果がある「トシリズマブ」で、関節リウマチの治療に現在使われている抗体医薬です。新型コロナの重症例では、サイトカインストームと呼ばれる免疫反応の暴走によって重篤な炎症が起きることがあります。

トシリズマブにはこの暴走を抑制する効果があります。トシリズマブの効果を検証する試験が19か国で実施され、対象となった803人の結果が発表されました。投与された重症患者は、そうでない患者よりも人工呼吸器が必要となる率も致死率も低かったようです。

英国国内の180カ所で実施された試験では、新型コロナの入院患者4116人を対象として、半数にトシリズマブを残りの半数にプラセボを投与しました。

トシリズマブを投与された患者群をそうでない患者群と比較すると、新型コロナによる致死率は1.14倍低く、退院できる率が約1.2倍高いという結果が出ました。この数値は効果があるというには低いような気もしますが、有効と判断できるようです。

現時点ではアメリカ国立衛生研究所(NIH)は、まだ臨床試験以外でトシリズマブを治療薬として使用することを推奨していません。

もうひとつの治療薬として、関節リウマチ治療薬として使用されているバリシチニブが期待されているようです。

この試験結果によれば、バリシチニブとレムデシビルを併用して投与された患者では、免疫反応の暴走が抑制されることで、回復までの時間がレムデシビル単独と比較して平均で1日短縮されました。

これも本当に有効と言えるのか難しいところです。この様にいろいろな候補が出てはいるのですが、今回紹介した薬はいずれも抗体医薬でたぶん高価な薬なのかもしれません。

新型コロナのように多く人が感染する病気の治療薬は、安価なことが大前提ですので、本当の意味での有力候補はまだまだ難しいのかもしれません。


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