ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

保険適用が拡大された「陽子線治療」の実力

2022-10-21 10:30:42 | 健康・医療
ギター仲間の友人に前立腺ガンが見つかり、いろいろ治療法を検討したようですが結局昨年ロボット支援の手術を行いました。

「外科手術」「抗ガン剤による化学療法」「放射線療法」がガンの3大療法とされていますが、やはり日本では手術が大多数でそれ以外は補助的な治療法となっているようです。

それでも最近放射線治療のひとつの「陽子線治療」が注目されています。これまでは小児がん、前立腺ガン、頭頸部ガン、骨軟部腫瘍といったごく一部のガンにしか保険治療が認められていませんでしたが、2022年4月から新たな4疾患に対して適用が拡大されました。

放射線治療は「X線治療」と「粒子線治療」に分けられ、粒子線治療はさらに「重粒子線治療」と「陽子線治療」があり、とりわけ陽子線はメリットが大きいとされています。

陽子線は最も軽い元素である水素の原子核を、光の速度の7〜8割くらいまで加速してエネルギーを高めたものです。人体に照射すると、エネルギーを減らしながら体の中を進んでいき、消滅する寸前に放射線量が最大になる「ブラック・ピーク」という性質があります。

陽子線治療はこの性質を利用したもので、消滅する寸前の場所にガンを合わせることで、ガンのDNAを破壊します。また陽子線はブラック・ピーク後は停止するため、ガンの後方にある正常組織には最小限の線量しか当たりません。

そのため治療の効果が高く、副作用が少ないというメリットがあるとされています。従来の放射線療法で使われるX線は、放射量が最大なのは体の表面近くで体内を進むにつれて減少します。そのため体の奥深いところにガンがある場合は、一方向だけの照射だけでは治療が成り立ちません。

またガンに到達する前も通過した後も正常組織にダメージを与えてしまうため、副作用のリスクも高くなるという弱点がありました。

陽子線治療は今年保険適用が拡大されましたが、加わったのは肝細胞ガン、肝内胆管ガン、局所進行性膵ガン、局所大腸ガンでいずれも手術できないものが対象となります。

たとえば局所進行性膵ガン(ステージ3)では、標準治療とされる抗ガン剤の単独療法における生存期間の中央値はおよそ10カ月です。それが陽子線治療では約20カ月と平均的な生存期間が2倍に延びることが分かっています。

このように標準治療よりも生存期間が延びるというのは良い治療といえるのかもしれませんが、患者は完治を期待しているという点ではまだ不十分のような気がします。大きくなった肝臓ガンでは、標準治療では治らないガンも非常に予後が良くなっているようです。

適切な時期に実施すれば、肝臓ガンの手術に変わる治療法として期待されているといえるのかもしれません。

日本企業に「働かないオジサン」が大量発生する原因

2022-10-20 11:13:08 | 時事
少し前から企業の「働かないオジサン」が問題になってきましたが、こういった中高年は昔からいたような気もします。

私の職場は研究所で、常に所員の平均年齢が32、3歳となるような人事管理をするという特殊な職場ですので、働かないオジサンの実感はありませんでした。

日本企業の人事担当者には、「中高年のモチベーションが上がらず困っている」「モチベーションが上がる刺激を与えられないか」という問題意識があるようです。

この中高年になってからモチベーションが欠如する要因の根本には、出世以外の動機付けを無化させてしまう人事管理の在り方そのものに原因があるとしています。

日本企業におけるキャリアの歩み方を日常的なものに例えれば、小中学校で多くの人が経験する「校内マラソン」ににています。入社した年ごとによーいドンの合図で一斉に走り出し、「同期」はライバルでもあり励まし合う仲間としても形成されます。

マラソンなのでペースはゆっくりしており、レース中盤に差し掛かるにつれて集団が分かれ、最後は一握りの人たちだけがトップを目指して走りぬいていきます。

こうした「平等主義」と「競争主義」が支配する内部昇進レースは、校内マラソンと同様に「オプトアウト方式」つまり原則的に強制参加となっています。こうしたレースに参加している人に「出世に対する意欲の変化」を調査すると、平均で42.5歳を境目にして「出世したいと思わない」が5割を超し、その後右肩上がりに伸びていきます。

少し古いデータですが国際比較した定量調査によれば、「昇進の差」が出始めるタイミングは、ドイツ企業で入社後平均3.7年、アメリカで3.4年、日本企業は7.9年程度となっています。

その後昇進の見込みがない人が5割に達する時期は、ドイツ企業が11.5年、アメリカが9.1年、日本企業は22.3年となっています。これは日本で「出世意欲の限界」とおおよそ一致しており、平均42.5歳という数字は世界水準でいえばあまりにも「遅い」といえるようです。

一方転職市場にはかねてより「35歳限界説」という言葉が流れていました。この俗説はミドルの転職が増えて来るにつれて消えてきたといわれることが多いようですが、やはりひとつの目安になっているようです。

実際コンジョイント分析という手法で解析すると、やはり高齢になるほど特に35歳以降は採用されにくい傾向が出ています。このようにマラソンレースから離脱しようとする歳が海外に比べてあまりにも遅いため、転職に不利な年齢となってしまうという根源的な問題が存在するといえます。

その結果転職をあきらめ、「働かないオジサン」が増加してしまうと考えられます。私はこの問題の解決策が全く分かりませんが、放置してはいけない問題と思われます。

人類最大の敵「蚊」の驚きの生態

2022-10-19 10:38:33 | 自然
人によって蚊に刺されやすい人とあまり刺されない人がいるようです。私は刺されない方で、かみさんと一緒にいるとかみさんは刺されて騒いでいても、私はほとんど刺されたことがありません。

全く刺されないかというとそうではなく、夏の夕方など外で何かをしていると腕にとまった蚊が血を吸っているということはあります。

蚊は世界で最も人の命を奪っているといわれ、マラリアやデング熱などの蚊が媒介する感染症による死者は年間72万人以上といわれています。蚊の小さな体の中には、ヒトの血を確実に吸うための驚くべき能力が詰め込まれていることが明らかになってきました。

超高感度で人を認識できるセンサー、暗闇でも確実に障害物を避けて飛ぶ仕組み、気付かれずにさせる特殊な針など暮らしに役だちそうな技術に応用することが可能になりそうな能力です。

蚊が媒介する感染症には、ウイルス感染症であるデング熱やジカ熱、日本脳炎、西ナイル熱、黄熱、そのほか原虫疾患であるマラリアなどがあります。

これらは主に熱帯や亜熱帯地域で流行していますが、マラリアはアフリカ中心に年間2億人以上が感染し、40万人以上が亡くなっています。蚊は人の血を吸って生きているわけではなく、花の蜜や樹液が主食で糖分さえあれば生きていけます。

オスの蚊は人の血をすいませんし、メスの蚊もある特定のものだけが人の血を吸うのです。未交配のメスは人の血に興味を示しませんし、蚊は卵を産むために人に血を吸っているのです。

ある研究ではヒトスジシマカの場合、血を吸うと1回で200個前後の卵を産みますが、血を吸わないと40個ほどになってしまうようです。蚊が最初に人に気づくきっかけとなるのが二酸化炭素です。

口の近くにある「小顎髭」という器官で認識し、これによって10メートルほど先に人がいることが分かるといいます。3メートルに近づくと「触覚」によって感知し、さらに1メートルの範囲までくるとやはり触角を使って「熱」を感知します。

それと同時に「複眼」によって色を感知し最終的に人の皮膚にとまって吸血を始めます。蚊が気付かれることなく差すことができる理由のひとつは、「針の細さ」で、一般的な採血用の鍼の10分の1のわずか0.05ミリほどです。

蚊の下唇の中には6本で構成される針が隠されています。蚊は吸血の際、まず外側の一対の針を使いますがこれには縁に鋭いギザギザがあり、ノコギリのように皮膚を切り開いていきます。そのため皮膚がたわまずに周囲の痛点への刺激を最小限に抑えることができ、痛みを感じないのです。

さらに蚊が針を回転させながら皮膚を指すことも、痛みの軽減につながっていることも明らかになりました。

こういった蚊の特殊な生態をどうヒトに応用するかは難しいようですが、将来的には痛みの無い注射も可能になるのかもしれません。

iPS細胞で脳のミニチュア版「脳オルガノイド」を作製

2022-10-18 10:38:41 | 健康・医療
京都大学の山中先生がiPS細胞の発明によりノーベル賞を受賞されてから、私はiPS細胞の応用に非常に期待していました。

iPS細胞はどんな細胞にも変化しうる万能多能性幹細胞として紹介されています。それ以前の万能幹細胞としてはES細胞が知られていましたが、これはヒトの胚盤からしか取れないため、実際問題としても倫理上の問題などもあり使用が制限されていました。

それが人工的にどんな細胞からも作成できるiPS細胞が出てきたことで、再生医療は飛躍的に進展すると期待していたのです。確かにその後網膜移植や心筋細胞などが作られ、実際にヒトに応用されているという報道がされています。

しかし発見から10年以上たっているのに、比較的簡単そうな網膜細胞の移植でも実用化に向けた臨床試験などの話は全く出てきていません。どこに問題があるのかはよく分かりませんが、1件に数千万円かかるというコストなのかもしれません。

こういった状況でiPS細胞に関しては、やや熱が冷めてきた感じはありますが、慶応大学の研究チームが「脳オルガノイド」を作製したと発表しました。

iPS細胞を使って脳のミニチュア版を作る方法を改良し、アルツハイマー病などの患者の脳内の状態の一部を再現することができたようです。アルツハイマー病などの研究はマウスを使ってされてきましたが、マウスでは必ずしもヒトの病態を反映しない場合があることが課題となっていました。

そこで注目されるのがヒトのiPS細胞などを培養し、脳に似た構造を立体的に再現した「脳オルガノイド」です。患者自身の細胞由来のものが作れるため、より実際に近い病態の再現が期待されています。

研究チームは培養液に含まれる「FGF2」という物質の濃度を従来の10分の1にすると、脳オルガノイドの前段階の作製効率が上がることを発見しました。この方法で家族性アルツハイマー病患者由来のiPS細胞から、脳オルガノイドを作製しました。

約120日培養したところ、発症に関連するとされる物質「アミロイドβ」の塊ができました。この実験ではアルツハイマー病に近い脳の状態が再現できたにすぎませんが、この脳オルガネラをいろいろ検討することによってアルツハイマー病の実態が分かってくるのかもしれません。

このようにiPS細胞は再生医療の分野に貢献するだけでなく、病態の解明や私が期待している創薬研究に役立つ可能性は高そうです。

私にはiPS細胞研究になぜ多額のコストがかかってしまうのかよく分かりませんが、安価な作製は原理的に難しいのかもしれません。

それでも人工的に作れる万能幹細胞があるのですから、応用分野の探索も含めて進展を期待しています。

定期開催となった定例麻雀が無事開催

2022-10-17 10:37:04 | ギャンブル
だいたい月に一回開催している昔の職場の仲間の麻雀ですが、やっと定期開催ができるようになってきました。

私は新型コロナを気にする必要はないという考えですが、やはり高齢者ばかりですので感染者数を注視していました。前回はひどいというか面白くない麻雀でしたので、今回は気を入れてマスクも新しいものにして臨みました。

いつものようにビールを飲みながら始めましたが、最初の局は私が荘家になってしまいました。実は私は荘家が嫌いで、できたらなりたくなかったのですがやむを得ないところです。

やはりあまり手がよくならず、簡単に親を流されましたが、次の親から連荘が多くなり振り込みはしていないのですが自模られたりして徐々に減っていきました。こういった振り込まないようにを優先するのはH君の打ち方なのですが、私もそれに習いおとなしい麻雀に徹しました。

それでも最初の局は若干沈んだ3位となってしまいました。2局目もほぼ同じような展開でしたが、少しは上がれるようになり終わってみるとこの2回でちょうど0と振出しに戻った感じでした。

今回もSTさんが浮き沈みの激しい麻雀でしたが、そのすきをついでSKさんがきれいな手を上がりました。始まってすぐに白と発を鳴き、中は全く出ていませんでした。

私はその中を持ってきてしまい半ばあきらめていましたが、中盤にSKさんが中単騎を自模り小三元ホンイツをあがり、これが一番の手となりました。私はこの時親でしたのでかなり沈んでしまいました。

4回目に入りやっと私もツキが回ってきたようで、発が暗刻で白をポンし、中が入ることを期待していました。それでもホンイツでドラ2となっていましたので、2,5竹のノベタンで聴牌していました。

H君から中が出たのですがSKさんが鳴き小三元は終わってしまいましたが、鳴いていた白が槓となったところで何と嶺上で2竹を自模り親の跳満となりました。これで楽になり何とかこの回はトップを取ることができました。

面白かったのは私がピンズの入りが非常によく、面前清一色のイシャテンまで行ったところでH君が軽く上がりました。ところがここでSTさんが手を見せてくれたところ、万子の面前清一色でしかも高め一通という手を聴牌していたのです。

まだ中盤前でしたので、私もまったく気にせず危ないところでした。今回は結局半荘を5回やったのですが、なんとすべての回で私の嫌いな荘家になってしまったのです。私が荘家を嫌がっていることは伝えてありませんが、皆も珍しいことといっていました。

結局1回トップが取れたので若干プラスの2位となりましたが、激しい麻雀の陰に隠れてしまった感じのH君の一人沈みとなりました。今回は少し早目に終わりにしましたが、やはり疲れる麻雀となってしまいました。