SIDEWALK TALK

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夢は夜ひらく

2013-08-28 15:25:58 | テレビ番組
Tv2ワイドショーやエンタメ系ニュースはあまり見ない方だけど、
それでも先週自殺した、
有名女性シンガーソングライターの母で、
本人も演歌歌手だった女性の自殺報道を最近やたら目にする。
自殺はお気の毒だけど、正直なところ少々ウンザリしている。


今回の騒動で僕もはじめて知ったのだけど、
この件における一連のテレビ報道は、
実は自殺に関する「国際的な報道のルール」ともいうべき
ガイドラインに著しく違反しているらしい。


「国際ルール」というのは、国連の専門機関であるWHOが定めた
自殺予防 メディア関係者のための手引き」日本語版報道のガイドラインのことだ。
詳細は煩雑になるのでここでは触れないが、
要するに「大騒ぎするな」ということが、その主旨として見てとれる。


家族全員が芸能関係者ということである程度のプライバシーの侵害はやむを得ないとしても、
生前の奇行や精神疾患、親子(夫婦)関係などを興味本位であげつらうのはどうかと思う。
死者に対して尊崇の念を持つという、
この国の美徳はもはや崩れてしまったのだろうか?
視聴者もテレビ局が思っているほど興味ないと思うのだけど、
それは僕の買いかぶりなんだろうか?

焚書坑儒

2013-08-18 16:09:24 | アニメ・コミック・ゲーム
Library_war3小説「図書館戦争」シリーズを何年か前に読了した。
ミリタリー色やディストピア的な世界観があるものの、
この作品は基本 恋愛小説。
四捨五入すると、女の子が読む本だと思う。


おっさんの僕がこの小説を読んだきっかけは、
アニメ(OVA)化されたときに何気に Twitter でつぶやいたら
ブログを通じて知己を得た女の子に、僕に合うかも?と勧められたからだ。
この小説は、政府がメディアを統制するというパラレルワールドで、
メディアの自由を巡る図書隊の戦いとその恋愛模様を描いたものだった。


今般、松江市教育委員会が、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を
子どもが自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう
市内の全市立小中学校に求めていたことが報道された。
こういう判断を下す教育委のメンタリティは、まったくもって理解できない。


当然のことながらマスコミやインターネットメディアでもブーイングの嵐なんだけど、
後日談がまったく伝わってこない。
市教委が真っ青になって対応に追われてる(もしくは思考停止に陥ってる)状態なんだろうけど、
閉架にすればこういうリアクションが起こることに思いが至らない想像力の欠如自体、
もう終わってる組織としかいいようがない。


そもそも「はだしのゲン」は漫画にすぎず、歴史書や思想本、ましてや教科書じゃない。
ゲンに描かれている歴史観も戦争観もあくまでも作者の主観であって、ゼネラルなものじゃない。
あるひとつの価値観 or 歴史の断片であって、
子ども達にはもっと多種多様な作品を選択できる環境を整えた方がいいと思う。


僕自身、ゲンにはシンパシーを覚える部分と共鳴できない部分が混在している。
それでも、この良心と信念で書かれた作品を閉架にする理由が1ミリも見出せない。
市教委がいうところの閉架の理由、「過激な描写」を鵜呑みにするほどお人好しじゃないが、
このネット社会で子ども達はもっとグロい描写を目の当たりにしている。


今回の市教委の決定は、作者側の表現の自由だけじゃなく、
僕らの好きな本を読む権利までも犯しかねない。
このニュースを知ったとき、図書隊の出動をマジで妄想した。


靖国の杜

2013-08-15 08:25:36 | ニュース
Yasukunijinja2終戦の日、今日も靖国神社にはたくさんのご遺族が参拝するだろう。
毎年のことながら、メディアや隣国で、
首相や閣僚の靖国参拝のことが無用に取り沙汰される。
外交上、国益に適っているか?
憲法違反か、合憲か?
歴史認識上の問題はないか?
こういう議論は、一般的な日本人の心情とは大きく乖離している。


靖国神社と太平洋戦争(十五年戦争)をイコールで結びつけたがる傾向があるけど、
靖国の杜には戊辰戦争以前の国事殉難者(坂本龍馬など)も祀られている。
もちろん、その後の西南戦争、日清・日露戦争の戦死者はいうまでもない。
要するに、近代日本の礎になった人びとの魂が揺らめいている場所で、
後進の僕たちがその英霊を祭祀するとともに不戦の誓いを新たにする場所だ
と、僕は思っている。


今年は特に、隣国の国会議員数名が靖国神社を15日に訪問し、
「安倍晋三政権の右傾化に遺憾の意を示す」声明を発表するとしている。
隣の騒音オバサンの品の無さは毎度のことながら、
ご遺族の心情を慮れば、この暴挙は常軌を逸している。


だれだって平和がいいに決まってる。
靖国神社が日本古来の神道かどうか?いいかえれば純粋な神社かどうか?
という微かな迷いも僕の中にはある。
その煩雑な議論はヨコにおいといて、
今日は国に命を捧げた人びとの霊を静かに追悼したい。


〆切

2013-08-09 13:33:30 | ブログ
Pen所属していた青年会議所が本年、創立60周年の節目を迎える。
先日、後輩数人が来社して、記念誌への寄稿を依頼された。
〆切が迫ってるのだけど、なかなかペンが進まない。


与えられたテーマは「理事長時代の青年会議所への思い」という
一見ありふれたものなんだけど、これが意外とムズイ。
理事長時代は(いい意味で)熱病に冒されたように
JC 活動にのめり込んでいたから冷静に振り返るのも汗顔の至りだし、
何よりも遙か昔のことで忘れてしまったことも多い。


ともかく60周年記念誌に僕ごときの文章を載せていただけるという栄誉。
駄文乱筆なのはご容赦願うとして、
このあてのない時代に JC 運動に身を捧げている健気な後輩たちのために
何か気の利いたメッセージを贈りたいと思っている。


ま、ブログ書く暇あるなら、とっとと起稿しろって話(汗)


こんな夜には

2013-08-05 15:23:04 | 日記・エッセイ・コラム
暑苦しい真夏の夜、
こんな夜には『 Born to Run 』を聴きたくなる。

Born to Run Born to Run

 Bruce Springsteen
 価格:¥ 1,567(税込)
 発売日:2003-04-27


このアルバムは、高1のとき、同級生の前野くんが僕に紹介してくれた。
リリースから5年以上経っていたんだけど、
そのときの新鮮な驚きは今も色褪せていない。
フィル・スペクターもデュアン・エディもボブ・ディランもロイ・オービソンも知らなかったけど、
英語詞もほとんど聞き取れず解読不能だったんだけど、
その圧倒的なヴォーカルとサウンドとソングライティングにノックアウトされた。


後に知ったんだけど、
このアルバムの収録曲はすべてある夏の夜、
一夜のうちに街のあちこちで起きた何処にも辿りつけないイノセンスに関する物語。
疾走感と焦燥感がロックンロールの重要な要素だと規定すると、
このアルバムこそ“ロックンロールの未来”だったんだと思うし、事実そうなった。


今夜も暑そうだし、オッサンになったせいか見たい TV 番組もない。
ひさしぶりに通しで聴いてみるのもいいかもしれない。
Tonight in Jungleland!

旅の終わり

2013-08-03 11:56:15 | まち歩き
Beer5遠方への出張帰り、地元にたどり着くと、
僕は必ず一杯ひっかけてから帰宅する。
だから駅弁とか空港飲みをガマンして、家路につくのである。


社用で東京へ出かけた。
で、地元に戻り、例によって飲み屋さんに立ち寄った。
そこは初めての店だったのだけど、出てくる料理がすべて神レベル。
こんなウマい店が近くにあったことを迂闊にも知らなかった。


「山水茶寮」という青々した風景や薫風を感じさせられる名前をもつこのお店は、
本来はお蕎麦屋さんで、もともとは耶馬溪で営まれていたらしい。
先年の九州北部豪雨で2度にわたって甚大な被害に見舞われ、
中津駅前に転居してきたという。


とにかく見た目だけでウマいとわかる彩り。
料理に合った食器のセレクト。
かゆいところに手が届く配膳。
これで美味しくないわけがない。
ステキなお店を見つけた。


地元に戻り、のれんをくぐり、生ビールをオーダーする。
イッキに飲み干した僕は、決まり文句を言う。
「やっぱ、中津のビールが一番ウマい!」
旅の終わりの楽しみがまたひとつ増えた。