![Honshaorou Honshaorou](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/a2/c5e9da268a8415de89ab7cedc388c89e.jpg)
新工場の視察があった。
工場は、安徽省亳州市にある。
取引先の陸さんによると、
ここは三国志の曹操孟徳の出身地らしい。
街のロータリーに人民解放軍の巨像がそびえてたり、
ホテルのロビーに毛沢東の肖像画が掲げられたりしていた。
亳州市は、中国共産党の影響が強い地域なんだろうか?
毛沢東に何かしら縁(ゆかり)がある土地らしいが、
コミュニケーション能力が不足しているから、
その縁が何か、よくわからなかった。
ホテルで、夕食をとった。
取引先の5人に加えて、知らないオッサンが1人紛れ込んでいる。
これは中国ではよくあることで、
細かい詮索をすることは物憂いし、大した意味もない。
アルコール度数50度超の白酒(バイチュ)を飲めば、
小っちゃいことは気にならなくなる。
ついでながら、この白酒は死ぬほどマズい。
「紅焼肉」("ホンシャオロウ"と発音していたと思う)という料理がでた。
日本でいうところの豚の角煮で、毛沢東の大好物として有名らしい。
このあたりの中華料理はパクチーや黒酢を使用しているものが多く、
僕はそれらが苦手なんだけど、この紅焼肉は意外にいけた。
食事をした個室に、大きな記念写真が飾ってあった。
100人ほどの人びとが写ってるんだけど、
その中心に位置している人物には見覚えがあった。
異例の若さで軍の少将に昇格した、という報道が先日なされた
毛沢東の孫だということに気がついた。
現在の中国でも、毛沢東信仰というのは続いているんだろうか?
「毛沢東思想」の解釈は、人それぞれだろう。
文化大革命の実態が明らかになっている今、
手放しで信奉するということはないように思うんだけど。
紅焼肉を白酒で流し込み、薄れてゆく意識のなかで、
僕は漫然と毛沢東思想に思いを馳せていた。