きのう、休日出勤して、家に帰ると届いてました。
ご褒美かな?
『 佐野元春 1990-1999 ORIGINAL ALBUM REMASTERED BOX 』
1万5千円もするんだけど、
ボーナス・トラックが収録されているわけじゃないし、
特典映像も付いてない。
リアル・ファンじゃないと買わない商品ということだろう。
僕も一瞬逡巡したが、結局、ネット予約してしまった。
僕の90年代の佐野元春の印象は、
See Far Miles をさまよっていたという感じだ。
90年代は、クロニクル的には、
The Heartland の解散、H.K.B の結成などのトピックがあげられるが、
80年代のワークスのような爆発力はない。
確かに90年代のアルバムはバラエティに富んでいる。
言いかえれば、佐野さんのマインドは、
ときにはタオイズムにしびれ、ときには空よりも高く舞い上がって、
やぶいたり、壊したり、ひっくり返したりして、
世界中にジャンプしていたんだろう。
あらためて90年代の作品を聴いてみると、
アーティストとしての精神の成熟や
ミュージシャンとしてのプレイヤービリティの充実に驚かされる。
また、オルタナティヴな領域にも果敢にチャレンジしていて、
メジャーとマイナー、当事者とアウトサイダーの間を自由自在に泳いでいる。
こんなミュージシャンは、佐野元春しかいないだろう。
そして2000年代、
See Far Miles Tour から帰還した佐野さんは、
『 The Sun 』『 Coyote 』という究極といっていいほどの
ハイクオリティのアルバムをリリースして、
その輝かしいキャリアの中で何度目かのピークを迎える。
90年代の See Far Miles Tour は、佐野元春にとっては必然だったのだろう。