SIDEWALK TALK

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巧遅拙速

2015-08-29 12:26:14 | 桐箱ブログ
Letter材料の船積(出港)が2週間遅れる
との連絡が、取引先の王さんからあった。
中国相手に商売をしていると、不測の事態は付きもの。
想定内とはいえ、こう度々だと
グチのひとつもこぼしたくもなる。


洪水、停電、交通事故、貨物検査...
遅延の理由は枚挙に暇がないんだけど、今回の理由は、
「工場のドアの前に道路工事今未完成、貨物出运できない」(原文ママ)
ということらしい。


今回、いつも以上にショックなのは為替。
1ドル=124円台のときに送金した。
そのわずか数日後に、中国株式市場のチョンボで、
1ドル=117円台まで円高がすすんだ。
もう少し早く遅延の連絡があればと、
未だに女々しく悔やんでいる。


「巧遅は拙速に如かず」
という中国の故事がある。
ふだん、僕はこの説を採っていない。
桐箱製作にあたっては、遅くても丁寧な方がいい
と社員にも話している。


けれど訳のわからない理由で2週間も遅れるなら、
孫氏の兵法にあるように「巧遅拙速」と叫びたくもなる。
中国との付き合いは、色んな意味で忍耐が必要なのだ!

夏祭りの季節

2015-08-08 11:48:35 | 桐箱ブログ
Letter夏祭りの季節。
この時期になると、
太鼓のバチ(撥)のご注文をチラホラいただきます。
本来、桐は撥に向いてないと思うのだけど、
軽いから子どもが打つぶんにはいいのかもしれない。


むかし、太鼓の撥は枝の部分で作っていたらしい。
そうだと撥の中心に芯があって、折れにくい。
けれど僕がこの商売に手を染めてからは、
丸太を買っても、枝はきれいに伐り落とされて納品される。
だから、やむを得ず幹のランダムな部分で作製している。


桐は柔らかいから、太鼓の鋲を打つとボコボコに凹むし、
前述したように芯なしだから折れやすい。
強度いう点では、お世辞にも褒められたものじゃない。
極論をいうと、1シーズンしか使えないんじゃないかな。


反面、1シーズンで使用不可になるってことは、
毎年毎年オーダーが入るってこと。
まさにブラック企業の面目躍如な製品なのだ(汗)。