
(2023.10.17晴れ)
ラジオ番組「SAYONARAシティボーイズ」が好きで、毎週聞いている。
その番組後半では、メンバー3人が書いてきた日記を持ち寄り、それぞれの日記を自分で読むコーナーがある。
この14日(土)はきたろうさんと大竹まことさんの日記だったが、大竹さんの書いてきた「名曲喫茶」を巡る日記が心に残り、何回も繰り返しタイムフリーで聴いていた。
長引く不況やこの三年のコロナ禍により、昔なじみの喫茶店が次々と店をたたんでいる。
それは何も喫茶店に限った話しでは無い。この10数年前から、日本のどの町に行っても同じチェーン系の店しか無い、という状況になってしまった。
時代は明らかな転換点を迎えている。
大竹さんは、そんな状況下でもささやかに営業している、個人経営の小さなお店の話しを昼の番組でもたまにしていたが、今週はそんなコーヒー店に行ったときの日記だった。
とても示唆に富んだ日記だったので、文字起こしをしてみた。
日記 9月28日 木曜日
時代から取り残されたような古い喫茶店に入ってしまった。
老婦人がアイスコーヒーをテーブルに静かに置いた。見ただけで透明のガラスに入ったコーヒーは薄そうなのがわかった。
飲むとやっぱり薄い。。。めちゃくちゃ薄い。。。小さな氷がカタカタと音を立てる。私はこれまでの人生で一番薄いアイスコーヒーを飲んだ。
老婦人が暗いカウンターの奥で笑っている。私も笑った。
私より後に入ってきた老人は確かコーヒーフロートを頼んだはずだが、テーブルに置かれたのはクリームソーダであった。
緑色に透けるクリームソーダを老人は文句も言わずストローですすっている。クラシックが流れている。
「名曲喫茶ネルソン」と看板にあった。もう61年続いているらしい。
