こないだレコード屋さんでエサ箱を漁っていたら、アーケイディアの12インチシングルを発見、購入した。
今まで7インチシングルしかもっていなかったのだが、こんな12インチが日本国内でも発売されていたなんて、この年・2023年まで知らなかった。
12インチのA面は、8分39秒にも及ぶ「コンセンサス・ミックス」なるもの。それが果たして「ロング・ヴァージョン」とどう違うのか?は全くはっきりしないけれども、そんな名称はともかくとして久しぶりに聴いた「エレクション・デイ」はいつもながらカッコ良かった。30cmの大きさのレコード片面をたった1曲で占める、というぜいたく感は、やっぱり12インチシングルならではの味わいだな・・・とプチプチ言う音に浸る。
ニューロマンティクスの重要な一角を成したデュラン・デュランは、アルバム「リオ」でアメリカ進出も果たし、80年代中盤に2つの実験的なユニットを結成する。
1つはパワー・ステーション、もう1つがこのアーケイディア。アーケイディアのメンバーは、サイモン・ル・ボン、ニック・ローズ、ロジャー・テイラーの3人。
さすが一番お金があったデュラン・デュランの最盛期ゆえ、アルバムには驚くようなミュージシャンが参加している。ロキシーミュージックのアンディ・マッケイ、日本からは土屋昌巳、カルロス・アロマー、一風堂のツアーにも参加していたデヴィッド・ヴァン・ティーゲム、グレイス・ジョーンズ、ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモア、スティング、ハービー・ハンコック・・・。豪華すぎるゲストの面々、その名前の一覧を眺めるだけでもため息が出る。プロデューサーは、トンプソン・ツインズでも有名なアレックス・サドキンとアーケイディアの共同プロデュース名義。
アルバムにもいくつか好きな曲があるが、何よりこのところ聴いているのは新しく手に入れた12インチの「エレクション・デイ」。
遠くから近づいてくるシンセ音、はっきりと聴こえないくぐもった声のラジオ風ノイズ、そのイントロの入り方が未だに新鮮に響く。土屋昌巳さんのひずむギターの音、クールなグレイス・ジョーンズの語りetc・・今でもカッコよく、今でも好きなシングルである。この曲は死ぬまで聴いているんだろうな、たぶん。
ジャケットデザインも鮮やかで美しい。・・・ついつい、この時期のバンドには想い入れがあって何かとミーハーになってしまう。
■Arcadia「Election Day」1985■