こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2013年1月11日 金曜日 クラフトワーク 「レディオアクティヴィティ(邦題:放射能)」'75

2013-01-11 23:18:23 | 音楽帳

クラフトワークが、1975年に発表した「レディオアクティヴィティ(邦題:放射能)」を初めて知ったのは、YMOのワールドツアーなどを納めた写真集「OMIYAGE(おみやげ)」。
この中で、3人それぞれの生活や趣味・嗜好を紹介するコーナーがあり、坂本龍一のページで、教授が好きなレコードとして紹介された1枚に「レディオアクティヴィティ」があった。
その後、一風堂の土屋昌巳さんが(「レディオ・ファンタジー」発売前夜)FM雑誌で、自分の好きなニュー・ウエイヴ100枚を紹介したモノクロページがあり、そこでもクラフトワークの全アルバムが紹介され、2行程度のコメントが記載されていた。

***

1981年に発表されたクラフトワークの新譜「コンピューター・ワールド」は、国内雑誌・海外メディアにボロクソ叩かれていた。自分はよく聴いた好きなアルバムであり・印象深いレコードだったが、皆クチをそろえて言う言葉には「明らかにYMOの影響を受けている」点を揶揄していた。ジャケットもイエローだし。。。などということまで言われて。
テクノの巨匠には、実に失礼な季節だった。

1980年当時、貸しレコード屋さん「友&愛」全盛で、借りたレコードを数百本のカセットテープに録音して持っていた(友人では無い悪人)ヤツの家に、音楽だけ聴きたさに寄っては刺激を受けていた。
しかし、そこで聴いた「レディオアクティヴィティ」は、「左脳が発達し過ぎた教授ゆえに選んだアルバム」という意識が強くあり、この時点では、あまりこのレコードは印象に残っていなかった。
どちらかと言えば、ポップな「マン・マシーン(邦題:人間解体)」。
赤い印象的ジャケットの方に夢中だった。
「レディオアクティヴィティ」はテクノポップというには、少々難度があった。

***

このレコードの曲が自分の中に刻まれたのは、1985年の1月、冬。
毎週観ていた「日立サウンドブレイク」にて。
1985年1月12日放映、鈴木志郎康さん監修の回『メトロゲーム~東京の地下鉄の10本・全部に乗るゲーム』で選曲された「レディオアクティヴィティ」「レディオランド」「アンテナ」。
映像と音楽との結びつき方が、元地下鉄少年の体内感覚と合致した。
ここからレコード「レディオアクティヴィティ」への印象・「音を見る」角度・観点が変化し、自分の中で醸造されていった。

***

2011年の「3・11」を経て、日比谷の野音。まだ余震・放射能への恐怖冷めやらぬ中、春の音楽フェスティバルとして開かれた「スプリングフィールズ2011」を聴きにいった。
ここで、細野さんは、新譜「ホソノヴァ」に混じって、クラフトワークの「レディオアクティヴィティ」を演奏することとなった。
細野さんのこのカバーは、アコースティック楽器演奏でもあり、そのゆったりさが、じわじわくる不気味さをたたえていた。
■Kraftwerk 「Radioactivity」1975■

「あの日」から1年10か月が経過して、2013年1月11日を今日迎えている。
「あの日」に露呈した問題は、何一つ進展していない。
・・・・だからと言って、何もしていないじぶんが偽善者ズラをするつもりは毛頭ない。
しかし現実に、身近な被災者関係から聞く実話では「東北バブル」が続いており、カネが東北に落ち続けている(全てには行き渡っていないのだろうが)。その事実の一方で、まるで「踏み絵」としてネガティヴな言い方がタブー視された、不健全な報道。この間に、違和感と乖離が生じている2013年1月11日。





























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4 コメント

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YMO AGE (たすく)
2013-01-12 08:23:45

かたちんばさん!おはようございます!

OMYAGEで坂本さんの聴くレコードの中に、クラフトワークの放射能の他にその後自分が深くのめり込んでいくイーノ、グリッスルもありました。
当時は今みたいに情報が少ない時代で、あの写真集の坂本さんの聴くレコードのインパクトは大きかったですね!

その他当時のテクノブームに便乗?した雑誌で国内と海外のバンドを紹介したテクノボーイというのもありました。


自分もかたちんばさんと同じでクラフトワークの人間解体は好きですね!
どの作品も頑としたコンセプトアルバムですが★
人間解体のシングルのザ、モデルがイギリスのチャートで一位になった時は素直にうれしかったです(^_^)v



311東日本大震災、 117阪神大震災、 911同時多発テロ……
奇数の1がらみの日って何かあるんですかね…

返信する
そうそう、ありましたね。 (かたちんば→たすくさんへ)
2013-01-12 10:09:33
たすくさん、おはようございます。
たすくさんに言われて、そーいえば「テクノボーイ」という雑誌あったこと思い出しました。
すっかり忘れていました。

教授が何に興味があるのか、それを垣間見た「OMIYAGE」のあのページは貴重でしたね。
美しい金髪のデヴィッド・シルヴィアンの振り返った顔が忘れられません。

「ザ・モデル」は、スネークフィンガーがカバーしたものを、サウンドストリートで教授が掛けてくれました。
その7インチシングルを探す旅で、やっと発見した時のうれしさも思い出します。

「11」。
そうか、阪神淡路大震災も記号とすれば「117」でしたね。
ただ、当時はその後にあったオウム・サリン事件があって、マスゴミが東京中心で回っている世界では、じぶんら震災エリア当事者は疎外された、という怨念があります。
特にフジテレビの安藤優子が、まるでプロレス中継のように地獄絵図を楽しそうに実況していた様には「絶対に、こいつは殺す」と決意した記憶があります。
返信する
わかるような気がします (たすく)
2013-01-12 12:10:47


フジテレビの報道は自分自身見ていませんが、かたちんばさんの言う報道の仕方簡単に想像できますね。
そもそもフジテレビ自体ほとんど見ませんが、あの当時は特にいましたね!
教養もクソもないような輩が……
視聴率を上げるべく煽り、大げさな報道をする奴が…


自分の中ではフジテレビ→トレンディやら秋元やらAKBやらのイメージがあり、全く今ではチャンネル自体合わせることはありませんねm(_ _)m

かなり記事の趣旨とかけ離れたコメントと、かたちんばさんの阪神大震災の嫌な思い出を掘り起こしてすみません(>_<)

ちなみに地下鉄サリンの日、首都高が全く進まずイライラした思い出があるますね!




返信する
しょせん「報道」などそんなもの。 (かたちんば→たすくさんへ)
2013-01-12 22:38:16
たすくさんがあやまる必要はありません。

「報道」とか「ジャーナル」など、笑ってしまうような名ばかりのクズ集団。
何も安藤優子に限ったことではなく、勘違いした馬鹿な奴がたくさん居ます。

人間なんて、いくら正義をかざしても、悪や欲望というドロドロしたものを抱えて生きる生命体だと、じぶんも含めて思っています。
底なし沼の悪意と欲望は誰にでもあります。

それなのに、なんで「○○はダメだ」という一方の振り子にしか振れない、幼稚な報道に傾くのか?
ガキのホームルームじゃないんだから。と呆れることしきりです。

三大新聞、地上波テレビは、すでにじぶんの想定では潰れるところが出初めていたはずですが・・・
案外まだしぶとく残っていますね。
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