
ドゥルッティ・コラムは元々パンクの出身。
ヴィニ・ライリーの美しく、悲しみをたたえたギターサウンドは、誰かのギターを参考に練習の末にできたものではない。
独自な音楽を目指して、というよりも、思うがままかきむしるように弾いたところから、そのスタイルが出来上がったものと思われる。
彼の初期シングルに「リップス・ザット・ウッド・キッス」という名曲がある。
亡き親友、イアン・カーティス(ジョイ・ディヴィジョン)にささげた曲である。
タイトルの「リップス・ザット・ウッド・キッス」とは、イアンが好きだった詩の一節と言う。
■Durutti Column 「Lips That Would Kiss」'80■
親友を失った悲しみ、
しかし、ここには絶望に打ちひしがれたがゆえに、希望を希求するほの明かりが音となって視える。
視えないものとの格闘や祈りが彼の音楽。
明るく切なく美しい。