二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

低音二胡に、改造!

2021-04-13 09:40:05 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
私は低音二胡の音が好きです。

二胡を弾き始めたころ、なんで、Dの音から始まるのか?

調弦を緩めてCから初めて弾いてみたりもしましたが、なんだか、頼りない音になってしまいます。

後になって長城弦(CG)というのがあるのを知り、試してみたのですが、これも今一つ。

そこで、色々楽器屋さんを訪ねて、GDのいわゆる中胡という楽器を弾かせてもらいましたが、

試してみた楽器の、不安定な事、2オクターブが出るのが精一杯。

そういうものですと、お店の人に言われたこともありました。

何とかできないか、と、考えて作り出したのが、ドデカゴン変形12角形。

二胡系の楽器が、高音域まできちんと出るには、いかに、振動版が均一に張られているかというのが大きい影響があるかと考えていました。

蛇皮は、胴に張る時に、角があると、そこが切れやすいのです。

昔の二胡の多くが丸に作られていたのは、そのためもあるのでしょう。

6角形はかなり、角がきついです、8角形は角が増えた分、角度が緩くなり、多少は張りやすくなります。

音としては倍音の多い分、6角形の方が良いような気がします、特に低音部の重低音感というのが強調される気がします。

そこで、6角形の二胡の皮を張る部分だけを変形の12角形にして皮を張りやすくしたのです。

ほぉさんは、最初はこのドデカゴンという名前に相当抵抗しましたねーーー。

何回も名前の付け方でもめたのです。

楽器としてはこの、低音(ドデカゴン)は、きっちり3オクターブ出ます。

その後、人工皮のCDMを考え出し、低音二胡にも試してみたのです。

それが現在、原田学史さんが使っている、CDMの低音二胡です。
https://www.youtube.com/watch?v=6MEnQQJr92A
この音はまだ使い始めたばかりで、かなり硬いバリっとした音がしていますが、最近は相当まろやかな音になっていると、次の録音が期待されます。

丁度その低音二胡作ったころでしょうか、お客様に頼まれまして、CDMを張って普通の二胡で低音楽器はできないのかと、

二胡と低音二胡では、大きさが違います。

普通二胡は胴の直径が大体90ミリくらい、低音二胡は大体100ミリくらい。

ですから完全には、低音という感じになるかどうか、やってみないと分かりませんと、お伝えして、改造したことがありました。

2年たって最近ご連絡をいただいて、その改造低音がとても良い音になって来たとのお話でした、

調整も兼ねて送っていただいて、これはいけるな! 感じたのです。

そこへ、もうお一人、ご自身で、わたしがCDMに張り替えた楽器の、弦だけをGD弦に取り換えたところ、とても良い低音二胡になったとのご連絡もいただきました。

以前から考えていたのですが、現在の二胡は胴が大きすぎないかという事です。

以前にも書いたとは思いますが、二胡はもう少し小さくてもよい、その方が楽器としては完全ではないかと、

むしろ、現在の二胡の大きさは、低音にできるのではないかと、

そこでいろいろ試したのです。
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