二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

嘘と迷信、思いこみと迷い、

2016-02-08 12:23:48 | ■工房便り 総合 
これは、新たに楽器を購入しようとした時に、皆さんの気持ちを迷わせる言葉たちですね。

どんな楽器でも、良い悪いというのを決定しにくい物です。

ある一定レベルの演奏力を持った、演奏家でもです。

アルチュール・グリューミオなどは、いつも一緒に伴奏をしてくれている人に辟易とされるほど、

毎日自分の楽器の不調を訴えていたといいます、彼の弾いていたのはストラディバリウスでも、です。

二胡でも同じですね。

たぶん、ご自身の持っていらっしゃる楽器に、ものすごく満足している人と言うのは、

とても少ないと思います。

ですからでしょうね、たくさん楽器を持っていらっしゃる方も多いです。

ここで、幾つか、楽器の良し悪しを判断する方法を書いておきます。

特に二胡の場合です。

二胡には他の楽器にない物が付いています。

それは駒の下の、フェルトなりスポンジですね。

こんなものが付いている楽器と言うのは他にありません。

この役割は雑音取りですね。

それは、それほど二胡には雑音が多いということの証明でもあります。

新しい楽器に出会ったとき、このスポンジなりフェルトを外してみて下さい。

解放弦と、それから第二ポジション、かなりの雑音が出る楽器も多いです。

しかし、まれに、まあ、我慢できるほどの雑音しか出ない楽器もあります。

更に、ホントに少ないですが、全くこの雑音が出ないというのも在ります。

これは基本的には当たりです、それも大当たり。

まれに私もそのような楽器を作ることが出来ます。

特に多いのは、皮を張替えた場合です。

それは長年弾いてきていて、木による雑音というのが大分まろやかになってきている楽器だからでもあります。

ですから、皮張りさえうまくいくと、ほとんどフェルト無しでも、雑音が出ません。

勿論解放弦などは音が割れるほど大きくなったりもしますが、

しばらく弾き込むとこれさえも無く成ります。

(私がしつこいほど弾き込んでくださいというのはこのような事もあるからです)

こういう楽器に皮を張替えて作り上げることが出来た時には、ほんと嬉しいです。

むしろ自分自身が新しい楽器を作った時よりもっと、良い音がしてくれるような気がします。

それまで弾き込んできた木の力と、それに見合った皮の力のバランスがとても良く取れているのでしょうね。

昨日は、5年前に皮を張替えさせてもらった楽器と、2年前に張替えたものと、

昨日張替えたものと、3台弾くことが出来ました。

なんだかとても皮の張替に自信を持てる一日になりました。(二胡医になってよかったと思います、今日は自分が医者に行きましたが)

もっともっと育てて下さい。




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