うっかりしていたのですが、
メンテナンスについて、
良い方向のことばかりが、世の中に情報として出回っているわけではなさそうです。
それで、やってはいけないことを、書きます。
先ず簡単なことですが、
木製の糸巻き。
使い始めてから、時間がたつと、木がすり減ってきます。
それから、棹が痩せてきます。
すると木軸を、差し込んでいる穴が、正円では無くなり、木軸が、動きが悪くなったり、
場合によっては、抜けやすくなります。
この時に、チョークや、石膏を無ると滑り止めになるという意見があります。
確かに一時はききます。
しかし、チョークは石の粉ですので、木より硬く、木軸や、その受けの穴を削ってしまうことがあります。
余計に滑りやすくなります。
ですから、チョークは塗らないでください。
塗るならば、松脂を塗ってください。
松脂は、温度によっては、べたつきますが、抜け落ちるようなことはありません。
それでも駄目な時は、持っていらしてください。
次に、前の項で書いたように、皮にオイルとか、ハンドクリームを絶対に塗らないでください。
又皮用のワックスも、塗らないでください。
理由は、皮が伸びてしまうからです。
次に、二胡を使って、仕舞う時、
良く弦と皮の間に、木の円棒を、挟んでいらっしゃる方見かけます。
このことは問題では無いのですが、太さのたりないかたが殆どです。
本来の目的は、皮に対する駒の圧力を、弾かないときに皮にかけないようにするためですね。
ところが駒より細い物の方が多く、これでは意味がありません。
駒の高さは、9ミリ前後ですから、すくなくともそれ以上、
あるいは、棒を差し込む位置によっては、15ミリ以上ないと役に立ちませんが、
今度は、それほど高い物を差し込むことによって、
弦にも余分な張力を掛けます。
従って、仕舞っている間、棹を演奏時より長い間、引っ張り続けることになります。
ですから、基本的には、二胡弾かないときには、弦を緩めてください。
駒が落ちない程度に緩めてください。
皮にも、弦にも、棹にも、負担が少なくなります。
次に千斤を巻く時に、必要以上棹に巻いている方が、殆どです。
これは、皮の状態や、どんな硬さの弦を使っているか、
又、糸巻きの先端からきちんと、弦がスタートしているか、
等の問題に関わりますから、一概にはいえませんが、
糸を、あんなに沢山棹に巻きつける理由が見えません。
千斤が、ずれない程度、に2、3回棹に巻いてあればよいはずなのです。
ポリエステル系の伸びにくい、なるべく何重かに編んだ糸をお勧めします。
伸びにくいのと、適度な硬さがあります。
以前は、蝋引きなどした木綿が良く使われていましたが、
蝋は滑りやすいので、何重かに沢山棹に巻いたのでしょう。
今は、いろいろな糸が出ています。
弦の方に回すのは、開放弦を弾いた時に、指で押さえたのと変わらない程度の、振動になるくらい。
これは弦の硬さに依っても違います。
柔らかい、レッドドラゴンなんかは、8ミリぐらい巻かないと、開放弦を弾く時に、あばれます。
硬い弦は5、6ミリでも良いかもしれません。
棹に、沢山巻くのは、棹の上部の響きをとめてしまうことも多いのです。
音が、大きく響かない事の理由の一つです。
次に、雑音が消えるとのことで、フェルトなり、スポンジを、駒のように高く付けている人を、多く見かけます。
確かに雑音は消えます。
しかし、音も鳴らなくなります。
皮の振動を吸収しすぎているからです。
女性が使う(男性も?)お化粧用のスポンジが、良いようです。
もちろん、柔らかめのフェルトでも構いませんが、
せいぜい、6ミリ位まででしょう。
それでも消えない雑音というのは、買った楽器屋さんや、先生に御相談してください。
だめな時には、私のクリニックへ。
一番は、弾き込むことですが。
それから、手入れに関しては、
二胡が、塗装してあろうと、あるまいと、カラブキでお願いします。
塗装していない場合は、蝋引きか、オイルフィニッシュがしてあります。
柔らかめの、よく乾いた布地で、木の部分は、拭いてください。
皮は、手のひらで、抑えるように、二胡の上から下に向けて、そーっと拭いてやってください。
鱗が下に向いていますから。
又手のひらの湿気が、松脂の粉をとります。布地だと、鱗に引っかかる場合もあります。
それから、北京式の二胡の場合、中に竹筒が入っている者多く見かけます。
これは、ある意味での雑音消しと考えてください。
良く見かけるのは、緩んでしまって、下に落ちている者がままあります。
これは、二胡の皮の真ん中に来るように、何時も持ち上げてください。
箸などを使って、棹のそばまで差し込んで、そっと持ち上げると、ちゃんとあがります。
その時もし出来れば、瞬間接着剤などを、棹と、竹の際に塗ることが出来れば、
落ちなくなりますが、難しいかもしれません。
また思いついたら書きます。
光舜堂クリニック、西野
メンテナンスについて、
良い方向のことばかりが、世の中に情報として出回っているわけではなさそうです。
それで、やってはいけないことを、書きます。
先ず簡単なことですが、
木製の糸巻き。
使い始めてから、時間がたつと、木がすり減ってきます。
それから、棹が痩せてきます。
すると木軸を、差し込んでいる穴が、正円では無くなり、木軸が、動きが悪くなったり、
場合によっては、抜けやすくなります。
この時に、チョークや、石膏を無ると滑り止めになるという意見があります。
確かに一時はききます。
しかし、チョークは石の粉ですので、木より硬く、木軸や、その受けの穴を削ってしまうことがあります。
余計に滑りやすくなります。
ですから、チョークは塗らないでください。
塗るならば、松脂を塗ってください。
松脂は、温度によっては、べたつきますが、抜け落ちるようなことはありません。
それでも駄目な時は、持っていらしてください。
次に、前の項で書いたように、皮にオイルとか、ハンドクリームを絶対に塗らないでください。
又皮用のワックスも、塗らないでください。
理由は、皮が伸びてしまうからです。
次に、二胡を使って、仕舞う時、
良く弦と皮の間に、木の円棒を、挟んでいらっしゃる方見かけます。
このことは問題では無いのですが、太さのたりないかたが殆どです。
本来の目的は、皮に対する駒の圧力を、弾かないときに皮にかけないようにするためですね。
ところが駒より細い物の方が多く、これでは意味がありません。
駒の高さは、9ミリ前後ですから、すくなくともそれ以上、
あるいは、棒を差し込む位置によっては、15ミリ以上ないと役に立ちませんが、
今度は、それほど高い物を差し込むことによって、
弦にも余分な張力を掛けます。
従って、仕舞っている間、棹を演奏時より長い間、引っ張り続けることになります。
ですから、基本的には、二胡弾かないときには、弦を緩めてください。
駒が落ちない程度に緩めてください。
皮にも、弦にも、棹にも、負担が少なくなります。
次に千斤を巻く時に、必要以上棹に巻いている方が、殆どです。
これは、皮の状態や、どんな硬さの弦を使っているか、
又、糸巻きの先端からきちんと、弦がスタートしているか、
等の問題に関わりますから、一概にはいえませんが、
糸を、あんなに沢山棹に巻きつける理由が見えません。
千斤が、ずれない程度、に2、3回棹に巻いてあればよいはずなのです。
ポリエステル系の伸びにくい、なるべく何重かに編んだ糸をお勧めします。
伸びにくいのと、適度な硬さがあります。
以前は、蝋引きなどした木綿が良く使われていましたが、
蝋は滑りやすいので、何重かに沢山棹に巻いたのでしょう。
今は、いろいろな糸が出ています。
弦の方に回すのは、開放弦を弾いた時に、指で押さえたのと変わらない程度の、振動になるくらい。
これは弦の硬さに依っても違います。
柔らかい、レッドドラゴンなんかは、8ミリぐらい巻かないと、開放弦を弾く時に、あばれます。
硬い弦は5、6ミリでも良いかもしれません。
棹に、沢山巻くのは、棹の上部の響きをとめてしまうことも多いのです。
音が、大きく響かない事の理由の一つです。
次に、雑音が消えるとのことで、フェルトなり、スポンジを、駒のように高く付けている人を、多く見かけます。
確かに雑音は消えます。
しかし、音も鳴らなくなります。
皮の振動を吸収しすぎているからです。
女性が使う(男性も?)お化粧用のスポンジが、良いようです。
もちろん、柔らかめのフェルトでも構いませんが、
せいぜい、6ミリ位まででしょう。
それでも消えない雑音というのは、買った楽器屋さんや、先生に御相談してください。
だめな時には、私のクリニックへ。
一番は、弾き込むことですが。
それから、手入れに関しては、
二胡が、塗装してあろうと、あるまいと、カラブキでお願いします。
塗装していない場合は、蝋引きか、オイルフィニッシュがしてあります。
柔らかめの、よく乾いた布地で、木の部分は、拭いてください。
皮は、手のひらで、抑えるように、二胡の上から下に向けて、そーっと拭いてやってください。
鱗が下に向いていますから。
又手のひらの湿気が、松脂の粉をとります。布地だと、鱗に引っかかる場合もあります。
それから、北京式の二胡の場合、中に竹筒が入っている者多く見かけます。
これは、ある意味での雑音消しと考えてください。
良く見かけるのは、緩んでしまって、下に落ちている者がままあります。
これは、二胡の皮の真ん中に来るように、何時も持ち上げてください。
箸などを使って、棹のそばまで差し込んで、そっと持ち上げると、ちゃんとあがります。
その時もし出来れば、瞬間接着剤などを、棹と、竹の際に塗ることが出来れば、
落ちなくなりますが、難しいかもしれません。
また思いついたら書きます。
光舜堂クリニック、西野
その理由はなんでしょうかね?
私の言っているのは、弦を強く張っている状態が長く続くと、皮に駒の後が付いたりします。駒の所だけへこんでしまう皮も有ります。それを防ぐために、木軸を緩めるなりり、駒を移動して、胴の一番上に持って行ったり、何か別の木の棒を弦に挟みこんで皮に対する負担を軽くしようということです。もし何もしなくて良い。という説が本当ならば、楽器屋さんでその皮に対する負担を軽くするための棒を売っているのはどうしてでしょう?
またその棒も必ず駒より高さのあるもので無ければなりません。鉛筆ぐらいですと駒より高くは無いので駒が皮に対して圧力をかけているということでは変わりません。木でできているバイオリンでさえ、駒の跡が表板に付いたりもします。そうするとそこの木の細胞は押しつぶされてしまいます。弦の振動を反映しにくくなります。
皮は更に柔らかいです。皆さん調弦の大変さで木軸を動かすのがやりにくいのでしょうが、例え今日調弦してあっても、明日は必ず調弦し直しているはずです。そのくらいに皮の変化も有りますし当然弦も伸びます。また、木軸も多少は変化していますから、毎日全く調弦しなくて良い二胡というのは無いと思います。それでしたら半回転だけ緩めたとしても調弦しなければいけないのは同じです。
また、楽器によっては木軸の動きというのがとても悪い物も有ります。それは治すべきものだというのが私の考えです。
楽器は使いやすい状態にしておかないとそれだけで練習や演奏のヤル気を殺いでしまいませんか?
ご推察のとおり、木軸の歪みや劣化が気になりますが致し方ないところですね。
ありがとうございました。