二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

ヴィーナ・ヴィーナ、人工皮を使おう。

2013-03-30 09:22:39 | ■工房便り 総合 
偏8角形の楽器、今はほとんど見ませんね。

今から10年ぐらい前には良く作られていたようですが、最近は持っている方をほとんど知りません。

理由は、多分、皮が比較的早く緩くなってしまうからでしょうね。

楕円も、偏8角形も、皮が張りにくいのです。

要するに蛇皮には縦横の伸びも違うというのも有りますし、横方向はおなかに近くなると薄くなります。

ですから、横長にすると、薄いところが多くなり、伸びやすく緩みやすいのです。

そこを工夫したのでしょうか、普通は蛇皮を、縦に張るところを、横に張ってその弱いところを補強したのも有ります。
駒と弾くところを近くする為だけにしては色々無理があったのかもしれません。

これは、同じ問題がヴィーナヴィーナにも出ます。

偏8角形よりもっと大きいですから、当然あっという間に皮が緩んでしまうでしょうね。

結論として、蛇皮を辞めて人工皮にします。

幸いにも、昨年ハリオガラスさんの依頼で、ガラスの二胡を作りました。

その時に、蛇ではなく人工皮でという依頼でした。

何台かガラスの胴を駄目にしながら、(ハリオさんすみません)試行錯誤しながら、人工皮の多重張りと、他の樹脂との組み合わせで、試し弾きでウェイウェイウーに、「わたしの二胡よりよく鳴る」と評価していただきました。
(ウェイウェイウーさんガラスの二胡すっかりお気に入りみたいですね)

人工皮の良さは、

下準備の皮の伸ばしが要らないということでしょう。

蛇皮は、厚い物になると下準備の伸ばしで、3ヶ月くらいも掛かったりします。

人工皮はその点でも一発勝負というのはありますが、時間的には比較的楽になります。

それから張り込んだ後伸びにくいことです。

特に今度私が作り上げたのは、違う種類の物を複数張り込んでありますから伸びにくいです。

ただ真っ白な色が少し気になります。

これは何か工夫しないといけないことでしょうね。

音的に問題無ければ絵を描くこともできます。

ジョージガオさんの人工皮は、塩ビ系の物の上に何かほかの硬い材料でラインが弾いてあり、多分これが蛇皮の鱗の硬い部分に当たり、蛇皮の音に近くしているのでしょう。

そういう点では私も直接には見えませんが、この硬い部分を作ってあります。

蛇皮の良さは、内部の柔らかい皮と鱗の硬い部分の鳴りの組み合わせですからそれには近くしてあります。

それと今後の皮の問題と言うのは少し考えなければならに事でしょう。

今中国でも蛇皮の問題は少しづつ出て来ているようです。

動物愛護の問題も有りますし、養殖、そして天然の蛇の密猟の問題。

これらを私がどうにか出来るわけではありませんが、少なくともこれに代わる人工皮の研究と言うのは出来るかもしれません。

ヴィーナヴィーナのもう一つの問題は棹です。
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