二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡への疑問、その20、良い二胡。

2012-08-22 10:04:21 | ■工房便り 総合 
この、良い二胡、という検索の言葉も多いです。

良い二胡というのは、沢山弾きこまれて健全に鳴っている二胡だと思います。

多少雑音があれ、弾きこんで皆さんの愛情が注がれた二胡というのに悪い二胡というのはありません。

どんな二胡でも良い二胡だというのが私の考えです。

タダこれから二胡を購入しようと思う方に、このような二胡は、育てがいは無いですよというのはあります。

それをいくつかあげます。

先ず、皮の右左の鱗の大きさが、違う物。

皮は幾ら蛇が養殖とは言え、自然のものですから、左右が全く同じというのはありませんが、

あまりにも他の二胡と比べて左右の違うもの、多分大きさが2mm以上違うもの、これは蛇皮の真ん中を使っていない可能性が高いです。

普通は背中を中心に1枚だけ取ります、それを横に2台分取ると、どうしてもおなか周りの方も使うことになります、おなかの方は鱗が大きく、柔らかくとても伸びやすいのです。

ですから一台の二胡の中に柔らかい部分と堅い部分とが入ってしまいます。

いずれ鱗の大きい方が伸びてきて左右の伸び率が変わり、高音が出なくなり雑音も出てきます。これは意外と10万円代の二胡に多いのです。

また皮の張り方が、緩い物。

新品の二胡で皮の張り方の緩い物が、最近多く見られます。

本当によくはれた新品の二胡は皮の周辺部を押しても、(端から1センチぐらいのところ)へこみません。

まったくへこまないのです。

最近初心者でも弾きやすく緩く張っているという二胡や、緩く張った方が良い音がすると主張している楽器メーカーも有りますが。

これはその時にはすぐ音が鳴りやすく弾きやすくもあるのですが、後で2年あるいは3年ぐらいで皮がとんでも無く緩くなりやすいのです。

皮の下ごしらえが、甘いのです。

ある一定の緊張感が出るまでに伸ばしきっていません。

普通、高級な二胡の皮は、少なくとも4回以上、水につけては伸ばして乾かし、を繰り返します。

ある時点までいくと、皮がほとんど伸びなくなります。

それは皮の厚みや性質によってその回数は違いますから、一枚一枚伸ばしたものは、とても均一によく張れるのです。

そのようにした、皮は最低でも10年以上持ちます。

もちろん自然のものですから、全てがそのように行けるわけでもありません。

必ず、例え健全に皮が張られていたとしても、数年でダメになるのも有りますが、殆どは、このように、しっかりと伸ばした皮は、(端の方を押してもへこまない皮は)10年以上は長持ちしますし、高音もしっかり出るのです。

最初から低音(内弦)が良く鳴る物は、喜ぶよりも、少し心配した方が良いと思います。

それは通常高音はしっかりと張られていれば出てきますが、緩くなると、鳴り方は少し変わります。むしろ弾きこんでから出てくるのは低音なのです。

それは皮が緩くなるからです。

このあたりのことは気を付けて購入される方が良いと思います。

それ以外のことは皮がしっかりと良い状態でありさえすれば大概修理調整などで直せますから。



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