二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

蛇皮の善し悪し。纏め

2011-04-22 09:10:04 | ■工房便り 総合 
皮に始まり皮に終わると言われて来た二胡つくりです。

中国では二胡の制作師と言われるのは、皮を張る人で、木工部分は家具屋さんが作っているそうです。

ホントに稀に、一人でやっているような作家が、木工も皮張りもやる人がいる程度らしいのです。

確かに木工と皮張りは、仕事としては違うと思います。

しかし楽器としての二胡は、両方解っているからこそ成り立つのです。

皮が張ってあるのは、木の胴なのですから。

私の少ない経験でいえば、皮は消耗品です。

いずれは、10年20年ぐらいで皮は劣化してしまいます。

木はちゃんと使えば4、500年はもつものです、20年で取り替えるとして、20回以上は張り替えるものです。

確かに皮が音を発する元ですから大切なのは解ります。

ましてや天然の(いくら養殖とはいえ)一枚一枚質の変わる蛇皮ですから、張り替える度に、多少は音色も変化してしましますが。

長年弾きこまれて来た木の胴は、ますます良くなるのだと思います。

二胡の本体は木の胴と棹にあります。

良くできた胴と棹に合った皮を選び、合った張り方をすると良い二胡になるのです。

それを弾きこみ弾きこみ長年育てていくことで、良い楽器は出来上がります。

今お持ちの二胡どんなに酷い雑音でも、まずは沢山弾きこんでやってください。

1年弾きこんでも雑音が止まらない時、あるいは2、3年してから雑音が出てくる時

その胡は、多分木に合わない皮が張られています、

あるいは木の歪みについていけない程、皮がゆがんでしまった多皮です。

ある意味皮は張り替えるのが当然の物です、三味線などは4、5年で張り替えると言います。

健全な鳴りと言うのを、確保するために、張り替えというのは、有力な手段なのです。

皮には様々。迷信が付いて回っています。

鱗の大きさがどうの、鱗の数がどうの、厚みがどうの、色々言われます。

皮は均一に張られてさえいれば、二胡は鳴ります。

弾きこんでいさえすれば、二胡は良くなります。

弾きこんでいくにしたがって、ゆがみもなじんでいきます。

それでも、鳴らない二胡があることも確かです。

その時には、調整と張り替えで、二胡は健全になります。

弾きこんだ二胡はご自分の音になっているのです。

折角の二胡その弾きこんだ音を大切にしましょう。

この項終わり

西野和宏

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2 Comments

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蛇皮であるなら (Jimmy)
2011-04-23 14:43:49
いくつかの動物皮を試してみて、好みの問題とはいえ蛇がやはり一番かなと思います。もしそうなら何の蛇がいいのか?って疑問が湧きますね。

楽器の大きさからするとそれなりに大きな蛇って事に限られますが、ワシントン条約に引っかからず、捕獲もOKってやつで大蛇で試してみるのも良いかも。
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蛇皮 (nishino)
2011-04-23 17:24:04
アナコンダではどうかという話はあります。

かなり怖いものではありますが。

人工皮作ってみますよ。

木の、とりあえずはバイオリンと同じものでしょうね
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