二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

9月10日(日) ご主人様の音色を覚えている二胡 11:00~17:00

2017-09-15 09:19:42 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
二胡には元々『調整する』という概念が無かったところに
西野が『調整』を持ち込んだわけですが、
最近では様々な楽器店が『調整』という名のもとに
有料や無料で駒を替えたり千斤を取り換えたりしています。
ほんの数年前まで「二胡は雑音が出て当たり前」 と二胡専門店が
公言していた事から比べたら大進歩でしょう。
「でもね~」 と西野は言います。
「私の言う調整とは全然レベルが違う事やってて『調整』だなんて
言ってほしくないんだよね」
これはハッキリ言えますが、
蛇皮が張れない人には『 光舜堂の言うレベルの調整 』は出来ません。

でも、ご自分では全く何も出来ない二胡弾きさんからしたら、
誰かが弦を替えてくれたりほどけた千斤を巻いてくれたり、は必要ですよね。。。
先週の閉店後、或る楽器店さん達が仕事の話でいらしたのですが、
「それだけの事でもお客さんには満足されるんです」 とおっしゃっていました。
そして、一般の愛好家さんはそれ以上の事をそんなに求めない、とも。
果たしてそうでしょうか?
求めていないのは、光舜堂の言うレベルの調整を知らないからで、
ご自分の楽器もそうなると知れば、きっと調整して欲しくなると思います。

この日、その女性の楽器屋さんの私物の二胡に、
『光舜堂の調整』をするとどうなるかをやってみせました。
その楽器屋さんでも『調整と言う名の事』はやっています。
しかし、全く音色が変わったご自身の二胡に驚いたその女性、
「元に戻そうか?」 といたずらっぽく聞く店主に、
「もう戻したくないです!」(笑)

ね?こんなに変わるのなら、どんな方でも望まれるはずです。
最近の光舜堂には、一時多くいらしていた情報に敏感な愛好家さんとは全く違う、
ごくごく普通の愛好家さん達が次々にいらしています。クチコミで。
こんなブログを書いている店だなんて、全く知らない方もいらっしゃいます。
店主が二胡を作っている事を知らないご年配の方もいらっしゃいます。

「グループであの人の二胡だけ良い音なのは何故?と訊いたら、光舜堂を紹介された」

そんな理由です。
「調整で二胡が生まれ変わったから練習が楽しくなった」
と更に弾き込んで、ますます上手くもなっていらっしゃるでしょう。
先日修理後に調整もした方からは、
「自分の楽器が今まで以上に好きになりました!」
と、結果に感動したというメールをいただきました。
そんな想いで活き活きと奏でれば、
ますますグループの中で良い音色が際立つわけです。
まぁ楽器店としては新しい二胡を売らないといけないから、
『調整』しちゃうと新しいのを買ってもらえない、
というジレンマもあるのでしょうね。。。
「もうこれ以上二胡は買わない!」 という方は光舜堂へいらして下さいね。



そうは言っても。。。

「あーもう!これが最後と決心して打ち止めの二胡を買ったばかりなのに。。。!」

打ち止めの楽器を調整しに光舜堂にいらした方が
ついでに西野二胡を試し弾きした後によく聞く感想です。
その打ち止めの二胡達は、たいてい西野二胡より高額だったようです。
先週の営業日も、そんな方がいらっしゃいました。
音色は、、、どの二胡でもベストを尽くして調整しますが、
見た目の美しさは、西野二胡に魅せられてしまうとどうしようもないですね。
「夢に出て来て。。。」 と、結局後からご連絡が入る事も少なくないです。
気に入っている高い二胡を既にお持ちの方は、
光舜堂に調整にいらしても西野二胡は弾かない方が良いでしょう???



さて今週のタイトルの皮の張替えの話。
光舜堂で修理をすると、例えば胴が割れると、
全幅の信頼の元に任せて下さった方の楽器に限った話ですが、
単純にくっつけて終わる他店の修理とは違い、その楽器のレベルを上げて
から退院させます。
(※西野の技術を疑っている方には、トラブルの元になるからやりませんし、
時には修理そのものを辞退することもあります。西野はめんどくさがりなのです)

皮を張替えると、胴の中に手を入れられるので(開腹手術みたいなものですね)
かなりの事が出来ます。
ですから光舜堂の皮の張替えは定評が有るのですが、
今週は改良したK先生の西野二胡の退院日でした。
インド紫檀のK先生の西野二胡は、演奏活動も多いことから、
『かのねタイプ』にバージョンアップする為に今回皮を張替えました。
美しい音色を奏でる為に人一倍こだわりのあるK先生の楽器でしたので、
日頃からよく弾き込んでいらして木が育っていて、抜群の仕上がり!
しかし店主はご本人の直接の感想を聞くまで落ち着かないようで、
K先生がいらっしゃるまでソワソワしてました(笑)
かくして、いらしたK先生は出来上がりに大満足!

実は代替器として最新鋭の西野二胡をお貸ししていたのですが、
「同じく皮が新しいはずなのに、この胡の方が音色が柔らかい?!」
「それはKさんが木を育てていたからですよ、その分音色が深いんです」
「この胡ったら、私の事を覚えてくれてたのね!!再会したのね!」

再会した最愛の胡に夢中になったK先生、新しい音色を確認しようと、
「ちょっと音の響きの違う所で、外で、弾いて来ます!」
と楽器を抱えて出口へ!
ああ、それじゃあ、と光舜堂の門扉の所に置いてある椅子を拭こうとしたら、
その前に、綺麗なスカートなのに構いもせずに座って夢中で弾き始めるK先生。
いやいやいや通りに面して汚れてますから、とあわてて拭き上げ、さあどうぞ。
K先生、暑い日だったのに外の椅子でしばらく弾いていらしたのでした。



またこの日は別の、古い二胡も退院日でした。
こちらは皮の張り替えはせず、最低限の修理でベストを尽くす、
という治療内容。
入院時は結構ボロボロでの入院でした。が、
直さなければまともに弾けなかった古い楽器が生まれ変わりました。
入院時にもいっしょにいらしていたお友達も結果にビックリ。
持ち主さんも大変喜んでいらっしゃいました。
特に光舜堂のデンペンの特殊加工に驚かれ、
「抜群に弾き易い!」 と大絶賛していただきました。



ところでこの日は初来店のお客様が数名いらしたのですが、
そのうちのTさんの二胡ケースは、、、あれ?
光舜堂オリジナル超軽量二胡ケースのモス・グリーン。
あ、あれ?直接送った方だっけ??? と思ったら、
金沢に行った時にNiko Music Laboさんで買って下さったそう!
しかも、光舜堂のケースとは知らずに!!! なんとっ!
いつかは西野二胡が欲しい、と思って下さっているそうで、
先にケースを手に入れていらしたとは、お迎えの準備万全ですね(笑)
今回、ご親戚から楽器を譲り受けて、と持っていらした二胡は、
皮が、、、製作中の皮張り時点で傷つけてしまったらしい痕。
今後あと数年で確実に破れる運命にある物でした。。。
しかし今日明日の話ではないのでしばらくは大丈夫だから、と調整し、
十分良い音色に整いました。



今日明日の話では無いという皮は、この日他にもご来店されました。
近々の発表会で弾く曲に多く出て来る音が上手く出せない、というお客様。
その音を出すにはその方の二胡の蛇皮は緩み過ぎでした。
その曲を弾くためには新しい中国製の二胡を買う事もご検討中のようでしたが、
目星をつけていらっしゃる楽器を伺うと、
それはなかなか、、、手放しでお勧めするには難しく。。。

こういう時って、期日に間に合わせようと急いで買うと危険なのでして。
やはり時間も気持ちも(お財布も???)余裕のある時にゆっくり、
可能であればあれこれ楽器店を廻ったり弾き比べて出会って買わないと、
どんな物にでも出る故障の時にさえも心が離れやすく目移りしたりして、
不調の時にその胡を大事に弾き続けるのが難しいのです。
旅の思い出があったり、記念で買ったり、ひとめぼれで出会ったり出来れば、
かなりの破壊でも直したいと思うものなのですよね。
そうして修理してでも弾き続けるからこそ、
その愛された楽器は応えるように更に更に良い音色に育つわけです。

その方の楽器は幸いにも富士駒で延命出来ましたので、
ひとまず発表会にはその曲に必要な音も出せそうです。
慌ただしい決断は回避出来ましたので、まずは練習に集中、ですね☆
発表会、楽しんで下さいね!



この日はご予約のお母様達についてきた小学生のお嬢ちゃん達のご来店もあり、
なんだかほっこりしました。
そしてきりゼミもあったので人数は賑やか。
そうそう、青龍門の記事に登場したKさん、すごく上手くなってます!
(「ブログに出していただいて」 とおっしゃっていたので、再度登場♪www)

ということで、今週もご来店ありがとうございました!

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